■姨捨山
今年最後のテーマにこの題材もどうか?って思ったんですけど、私自身年寄りの話がとっても大好きというか、関心するというか…もっと年配者の方には自分の経験や知恵を語って欲しいなぁ~って願いを込めて、今年最後のテーマにしてみました。大昔の日本の農村にはいたる地方に悲しい風習があった…。かなり古いけど、映画にもなった深沢七郎さんの「楢山節考」のように、労働力にならなくなった年寄りを山に捨てる!という”姨捨山伝説”がある…。
これは、農村などの厳しい経済的な現実がそうさせた悲しい風習で、「牛に引かれて善光寺参り」で有名な長野県にも同様の”姨捨山伝説”がある。但し、こちらの話には、「年寄りの知恵、恐るべし!」というお話なんだけどね…。
昔、この地方では、殿様の命令で、60歳以上の老人は山に捨てなければならない!という決まりがあった。ある日、若い男が自分の年老いた母を捨てに山を登っていった…。道すがら、背中の母は、木の枝を折って道に捨てている…。やがて山奥に母を置き去りにして、息子は山を下りようとするのだけど、帰り道が解からない!結局、母の所に戻ると、母は「途中、枝を折ってきたから、それを目印に行けばよい」と言う…。その優しい心に触れた男は、老母を結局家に連れて帰って来てしまう…。

隣国は、こんな知恵者のいる国と争うのは損だ!と戦いを諦め、殿様は男に褒美を取らせようとした。ここで、男は母の事を打ち明ける。それに感心した殿様は、以来、年寄りを大切にするよう、御触れを出し、自らも年寄りを大切にするようになったという…。
この話の舞台になっている「姨捨山」は正式な名称を「冠着山(かむりきやま)」という、長野盆地の南にある標高1252メートルの山で、この風変わりな名前は、天岩戸をこじ開けた手力男命(タジカラヲノミコト)が、山のあまりの美しさに、一休みして冠を被り直した!という故事に由来している。古くから、この冠着山は、月が美しく見える場所として有名で、「大和物語」や「今昔物語」にもその名が登場するほど古来より、月の名所として日本中に知られていた。
特にこの地方の稲田は、山の斜面の上から下まで重なるように作られた棚田で、その1枚1枚にそれぞれ月が写りこんでいる情景は「田毎の月」として知られている。感動してしまいましたよ!私も!実は、姨捨山伝説にも、男が母を捨てに山を登ったが、山頂から見た月があまりにも美しかったため、後悔の念に駆られ母を連れ帰った!という別バージョンがあるくらい美しいです。

だって、お年寄りの方の話ってためになって、楽しくないですか?