■千社札
神社・仏閣に、名前や住所なんかを書いた札って、結構貼ってますよね…。ご存じの方が多いと思いますけど、「千社札」と書いて、「せんじゃふだ」と読みます。ただ、「{し}は濁らないよ」という人もいるでしようね…確かに、「し」を濁らさずに「せんしゃふだ」と呼ぶ人もいます。
「千社札」は、神社や仏閣にお参りした記念として、天井や柱に貼る札ですよね。名前や住所、職業等が書かれているものもあれば、木札や金属製のものもあります。最近は大半が紙製で、最近はシール式のものが多いですね…。ただ、シール式だと、すぐ色あせて、字も消えてしまうので、私的にはあまりお勧め出来ませんけど…。

その札に自分の姓名や住所、店名、職業等を書くようになったのは、江戸時代後期の事で、地方から来た参拝者が、お参りした証拠にと名前や出身地を書くようになった。「千社札」と呼ばれるようになったのも、この江戸時代後期の事とみられている…。
江戸の文化・文政年間(1804~30)は、天下泰平の世の中だったらしく、庶民の間に旅行ブームが起きている…。その中に、物見遊山を兼ねて1000の寺社を巡るという「千社参り」もあったのね…。とりわけ、当時の江戸では、「江戸に多きもの。伊勢屋、稲荷に犬のフン」と言われたように、稲荷神社が多かった事から、「稲荷千社参り」が人気になった。江戸中の稲荷神社を巡りながら、札を貼ったため、しだいに「千社札」と呼ばれるようになって行った…。

ただ、貼っている自分が言うのもなんですが、神社仏閣から言わしたら、迷惑この上ない代物ですから、貼りたい方は、せめて許しを得てから貼るようにして下さいね…。