■ユーカラ
アイヌ民族の口承文学をユーカラと言います。ユーカラについて、歴史上、一番熱っぽく語っているのは、言語学者の金田一京助という人物でして、「規矩あり、韻律あり、句々蒼古の色を讃えて、おのずから金玉の響きを帯びる古文辞の結晶」!
凛とした彼の言葉は、これだけでもうユーカラの凄さを伝えるくらいの文言ですよね?彼のエッセイ、「太古の国の遍路から」の中の言葉である。そのエッセイには、こんなエピソードが載っています。
ユーカラの語り手を訪ねて、日高地方の荷負という村へ行く時の事、道で会ったアイヌの青年に「ユーカラがそんな価値があるんですか?」と問われ、金田一京助はこう答えている。

ユーカラは凄い!というためには、凄いと感じさせる語り手がいなくてはいけない!凄いと感じる聞き手がいなければいけない訳で…。ユーカラという神々の叙事詩に、炎のように心を揺らす信仰心がなければならないのではないでしょうか…?「青年諸君は…「良い日本人」になってもらえればそれでよい…」とアイヌの青年に答えざるを得なかった状況は、ユーカラの凄さを殺ぎ続けて来たのかも知れませんね…?
