■不死の人
フランス革命前のヨーロッパには、山師のようにホラを吹いては、各国の宮廷を渡り歩く正体不明の怪人物がたくさんいたみたいで、例えば色事師のカサノヴァや錬金術師のカリオストロなんかは有名ですよね…? 「不死の人」と呼ばれたフランスのサン・ジェルマン伯爵も、そんな怪人物の一人で、伯爵などと名乗ってはいましたが、彼の本名は何か、いつどこで生まれたのか、どういう身分の出身なのか等、誰も知っている者はいなかったそうです…。
唯、彼の言うところによると「自分は2000年もの昔から若返りの霊薬によって生き続けている」「聖書に出て来るシバの女王やイエス・キリストとも親しく談笑した事があり、あのネブカドネザル王の築いたバビロンの都にも、しばしば旅行した事がある」等、こんな突拍子もない話をしては、ヴェルサイユ宮殿に集まる世界各国の貴族や貴婦人たちの注目を得ていたそうです…。
しかもサン・ジェルマン伯爵は、驚くべき博学な知識の所有者で、何ヶ国語もペラペラ喋り、化学や錬金術の知識では、右に出る者がなく、黄金や不老長寿の薬も自分で作っていたから、使い切れないほどの大金持ちでもあったようなんですよ…。

伯爵が残したエピソードを1つ2つ紹介すると、あの名高いカサノヴァが、サン・ジェルマン伯爵の知遇を得ようと、伯爵を晩餐に招待した事があるようなんですが、伯爵は「自分は食事というものを一切やりません。ただ、丸薬とカラスムギを少々食べるだけなんで…」と言って、カサノヴァの招待を断ったようですし、またある時は、伯爵がある集会の席で、ローマ帝国のシーザーの時代の話を、まるで見て来たかのように延々と語っているので、ちょっとムカツイタある男が、伯爵の召使に「お前の主人の言っている事は本当かね?」と聞いたところ、その召使は「お許し下さいませ、皆さん。私めは伯爵様にお使いするようになりましてから、まだ”300年”にしかならないのでございます…」と答えたそうです。伯爵も伯爵なら召使も随分とパンチの効いた事言うなぁ…って私なんかは笑っちゃいますけどね…。
また、ある側近には「今度、あなたに会えるのは200年後のアジアでしょう…」と語った事もあるようです。実際、文献に残っている以上、実在の人物であったのは間違いないのでしょうが、皆さんいかが思われますか?
ただのホラ吹きか、はたまた、過去世の記憶が全て残っていた人物だったのか、今でもひっそりどこかで生きているのか…?実在するなら、ホラ話でもいいから、少し聞いてみたい気もしますけどね?
