■トラを恐れない象(2月9日)
3日目は象を雇って、もっとトラの近くに行こうと計画した。
ジープは決められた道路以外には行けないが、象はどこへでも行けるという利点がある。
だが、象を雇うのは高いのである。
1日で2人乗りで日本円に換算すると9万円にもなる。
更に象使いにチップも必要だ。
これがどのくらい高いかというと、感覚的には日本で50万円を支払うような感じである。
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この時は象使いは先にトラを見付けていて、そこまでジープで行ってから、象に乗り換える。
象は竹藪を押し倒しながら進み、チョベーラ(♀)とその子供2匹が獲物の牛を食べている最中のところへ案内した。
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竹藪の窪みの中で子トラが牛の首にかじり付いている。
5メートルくらいの距離だ。なんだか怖い光景を見てしまった。母親のチョベーラは昨年以来、右後ろ脚を負傷していて、思うように獲物が獲れず、家畜の牛を襲ったようだ。
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午後からはチョベーラをおびき出して、O君の指示で象使いがチョベーラが水場に向うように仕向ける。
1キロも先にある水場に、足を引きずりながら歩くチョベーラは痛ましい。
自分で獲物を獲れなければ、子トラの2匹も生きられないのである。自然界の厳しさがそこにあるのを垣間見た。
その時は興奮していたから判らなかったが、ホテルに戻ったら脛が傷だらけであった。
象の押し倒した竹が跳ね返って、私の足を傷つけていたのであった。
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(おまけの話)
ここではやたらにチップが必要である。
朝から順に書いてみると・・・。
1、モーニング・コールのミルクティのボーイに。
2、部屋から車までの荷物運びのボーイに。
3、トラが現れなくても、ガイドに午前と午後に。
ガイドは午後からは別の人になるので、2回。
4、ホテルに戻ると、入り口の前でタオルを渡すボーイに。
これは午前と午後の2回。
5、ドライバーは午前、午後とも同じことが多いので1回。
でも、素晴らしい光景に出会えたら、多めに。
6、象に乗ったら、象使いには多めに。
7、洗濯物を持って来てくれるボーイに。
8、なにか特別なことをしてもらった場合にも。
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こうなると、チップ用の小銭が沢山必要となる。
そこで、ホテルの支配人に両替を頼むのだが、彼は50ルピー以下にはくずしてくれない。
私の勝手な推測では、『ボーイの給料は安いので、チップを沢山やってくれ』という無言の合図なのかもしれないなー。