■モーニング・コールはミルクティで(2月8日)
トラを見に行くには朝が早いので、ホテルにモーニング・コールをお願いする。普通は自分でタイマーのセットをするか、部屋の電話で起こされるが、ここでは違う。
イギリス統治時代の良き伝統が続いていて、なんとボーイがミルクティとクッキーを持ってドアを叩くのである。
熱々のミルクティでクッキーを食べてから出掛ける。
ホテルから2~3分のトラの保護区の門の前に行くと、既に10台以上のジープが並んで開門を待っている。
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ジープはスズキのジプシーという名であるが、日本で言うジープニーをサファリ用に改造したオープンカーである。
午前中に30メートルくらい先の林の中にトラを見付けた。
しかし、すぐに見えなくなってしまった。
遠くでシカが甲高い声で、アラームコールを発している。
午前の部はそれで終りだった。
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午後からは、ドライバーの仲間から携帯電話にトラ出現の情報が入った。ジープはもの凄いスピードでそちらに向かう。
前を行くジープの出す真っ赤な土埃がもうもうと上がり、前が見えない。テールランプだけが、僅かに赤く見える。
雌トラのミルチャヘニが子トラ3匹と竹林から出て来て、道路を渡った。美しい姿だ。人間なんか全く無視している。
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ここではトラだけでなく、シカも猿もイノシシなどにとっても人間はただの黒子なのである。
また、今日も感動したのである。
(おまけの話)
ジープのドライバーは自分の車を持ち込みで、ホテルと契約している。
ガイドは準公務員らしく、公園に入る為には必ず雇わなければならない。
私達は2日続けて同じドライバーのサンジェイだった。
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彼は優秀で英語も話すし、視力、聴力も優れているし、トラの獣道に付いても良く知っている。
だから彼が居ればガイドは不要なのだが、これも仕事を作る為の規則なんだろうと思う。
彼らはトラを見付けてお客に喜んでもらえば、その分、チップも増えるので、一生懸命である。
初日は初めてトラを見た感動からチップをはずみ、ドライバーとガイドにそれぞれ1000ルピーもあげた。
これは日本円で2000円相当なので、かなり多い。
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2日目もまた感動したが、少し感動慣れしたので500ルピーにした。