■遺跡に住む僧侶(2月10日)
トラの棲む国立公園の奥に頂上が平らな山が2つある。
女山と男山である。
その男山には古代の遺跡があるという。
そこでこの日は午前中は遺跡の見学とした。
標高812メートルの山をジープで登る。
道が険しくて、なかなか登れない。
この遺跡を縄張りにしているトラもいるのだから、見学といっても安全なわけではない。
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城門を入ったところの大きな太い木に、トラが付けたマーキングの深い傷跡があった。
きっと大きなトラがここに来ているに違いないと思われる。
頂上はかなり広く、5万坪以上はありそうだ。
見晴らし台から見るトラの棲む草原が眼下に広がる。
素晴らしい光景である。
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ここには600年前まではマハラジャが住んでいたのだそうだ。石造りの建物が沢山ある。
石像も沢山あった。
大きな池もあるので、生活する場として大丈夫そうだ。
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一番高い場所に僧院があった。
そこには哲学者のような僧侶とその弟子1人が暮らしている。
なにも無いこんな場所で修業をしているのだろうか?
ヒンズーの神にお祈りを捧げ、お布施を置いて来た。
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午後からはまたトラ見学に出掛けたが、この日は遂にトラを見付けることが出来なかった。
(おまけの話)
昨日までに、かなりのトラの写真が撮れたので、その夜は動物カメラマンのO君の批評を受けることにした。
彼の持参しているパソコンにデータを取り込んで、みんなで見る。
私の写真はまあまあだったが、Y君の写真は問題があった。全て写真が右寄りで、しかもトラの尻尾やお尻が切れている。
よくよく聞いてみたら、彼のカメラの設定が悪いのである。
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『オートフォーカス・エリア』が『ダイナミック』に設定してあり、動物などを撮影する『シングル』になっていない。
また、『フォーカスエリア』が右側固定となっているので、トラを中央で捉えられない設定なのである。
だからピントが合わず、トラの尻尾が切れていると判った。
カメラを買ってからズーとそれでやって来たと聞いて、驚いた。これが文科系男の悲しい性か?
メカ物を買ったら、やはり説明書は読むべきである。
私の持参した緑茶ティバックで虎屋の羊羹を食べながら、トラの写真の評価は済んだ。