■シルバーが八つ当たり
最近のテレビ報道によると、自転車による人身事故が増えているそうだ。 それも重大事故が起きていて死亡事故もあり、自動車と違い車両保険に入っている人が少なく、賠償金が払えない事態となっている。
私も自転車に乗るので、事故が心配となった。
マンションの貸自転車の保険はどうなっているのかと思い、管理会社に問い合わせた。
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すると、『自転車だけでなく、全ての住民は傷害男保険に入っています』、という回答だった。しかし、私の乗る個人の自転車は保険に入っていなかった。
そこでインターネットで保険会社を検索し、「自転車保険」を調べてみた。
そして愕然としたのである。
加入の条件の1つに、「70歳以下」と書いてあった。
日本社会では、「70歳になったら、自転車なんかに乗るな」ということのようだ。
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それで思い出したことがある。61歳の時の話である。
女房とマレーシアに旅行した時に、クアラルンプールから5時間ほど先のキャメロンハイランドまでレンタカーを借りようと思った。
ところが、あの国では「60歳以上の人にはレンタカーを貸し出さない」と分かり、仕方なくハイヤーを雇って行った覚えがある。
60歳になった時に、「シニア」と呼ばれ、映画が1000円で見られると喜んだ。ところが、「シルバー」と呼ばれる年になったら、今度は色々と制限されることになってしまった。
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今だって私にシルバーシートを譲ってくれる若者はいない。
同級生の中にも、今でも社会の中枢で元気に働いている者が沢山いる。
昔は我々のことをシルバーなんて変な英語を使わず、尊敬を込めて「いぶし銀のような・・・」と言ったのではないか!?
ここへ越して来たことを境に、車の運転を止めたが、自転車も止めなきゃいけないのか?
世間では私達のことを、「もう大人しくしていろ」と、言っているらしい。
そんな世間に反抗して、不良ジジイになってしまおうかなー。
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(おまけの話)
私の周りの人はみんな「シルバーパス」を持っている。
これは70歳以上の東京都民に発行されるパスで、都営交通に乗る時に使える。
1年間の利用料は2万510円で、都営地下鉄、都バス、大江戸線、都電などに無料で何回でも乗れる。
先輩格の人に聞いたら、『これは絶対お得だから、買え』と言われた。
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そこで誕生月になったので、手続きに行った。
そうしたら、『4月になったら、手続きをした方がいいですよ』と言われた。
なんだか話が違うので、よく聞いてみた。
それで分かったことがある。
パスはいつでも発行するが、4月と10月が区切りとなる。
だから『3月に手続きをすると、たった1ヶ月の為に半年分の料金を支払わなければならないから損です。ですから、4月に手続きした方がよいです。』
・・・というわけで、自転車保険では八つ当たりしながら、こういう時にはシルバーになってしまう私である。