■もんじゃの町のハンバーガー
マンションの若いお母さんに私の見付けた築地のB級グルメの話をしたら、『月島に美味しいハンバーグ店がある。』と教えてくれた。 そこで、折角の話なので、そこへ行ってみることにした。
月島の町を横切る「もんじゃ通り」の両側には、「これでもか!」という数のもんじゃ店が並んでいる。
この町に「もんじゃ」以外のものを食べに来る人は少ないに違いない。
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でも、私は「もんじゃ」は好きじゃない。
他には「とんこつラーメン」、「もつ鍋」も好きじゃない。
これ等に共通しているのは、「見るからに美しくない」ということである。
ところで、月島のハンバーガーの話である。
もんじゃ通りから細い路地に少し入る。
そこは昭和残照ともいえる面影の残っている、私の好きな街並みがある。
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店の名は「FURUSATO」である。
中に入ると驚く。昔は田舎によくあったレトロな喫茶店である。
なぜだか若い白人男性が3人、お客として来ていた。
あまり愛想のいいとは言えないオバサンが注文を取りに来た。
そこで、メニューから「ハンバーガーランチ」を注文する。
トイレに行く時にチラッと見たら、奥の調理場で若者がパテを焼いていた。
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肝心のハンバーガーであるが、半分に切ったバンズの内側が焼いてあるのが良い。パテも厚めで良い。レタスとトマトが沢山入っているのも良い。
付け合わせのフレンチ・フライドポテトも美味しい。
コーヒーのお代わりが自由で、デザートも付いて1000円は納得だった。
でも、看板に書いてあった「パパとジジの店」のどちらも居なかった。
なにか人に言えない事情があるのかもしれない。
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(おまけの話)
私は家に居づらくなると、外に出る。
急に思い立つので、誰かを誘っても面倒なので1人で行くことが多い。
映画を見る時は必ず映画好きの女房を誘うが、それ以外はあまり誘わない。
そんなこともあり、1人残された女房は自分の趣味のことをやったりしている。
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家に戻ったら、女房が言った。
『いい歌が出来たので、読んでー』・・・と。
女房は時々思い立ったように、俳句のようなものを作る。
今回の作品は、「勝どきの 高き峯より眺めつる いずくにおわすや 今朝出まし君」であった。
勝手に徘徊する私を窓から見下ろして、「どこへ行ったんだか?」という状況を読んだのだそうだ。
でも、最後の「君」には少し照れるなー。