■うつ病か?
夕食の時に女房が言った。
女房「X子さんに会ったんだって?」
私 「うん、マンションの入口でね」
女房「お宅のご主人が元気な無いようだが、どこか具合が悪いの?と言っていたわよ」
私 「具合は悪くはないが、最近は元気がない」
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そう言えば若い頃と違って、朝起きた時に頭がスッキリしていない。
食欲もあまり無く、特に食べたいものも無い。行きたいところも無いので、毎日の家出も行先に悩んでいる。
なんとなく体もだるいような気がする。
もしかしたら、これは高齢による軽い「うつ病」ではないかと、自分で診断した。
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そこでそんな時の特効薬でもある、「深川不動尊」に行ってみた。
なぜこれが特効薬かと言うと、平日には毎日6回、行われる護摩供養を見るだけで元気が出るのである。この日は小雨で、天候にも影響されて更に元気が出ない。
午前11時の回の護摩供養に行ったら、狭い本堂は100名ほどの善良な老若男女の信者たちでいっぱいで、私は隅の方の臨時の席に座った。
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この護摩供養が派手で、供養の時に燃やされる護摩木の火炎の高さは1メートルにも達する。
更にその時は僧侶の読経がマイクで流れ、10人以上の僧侶が大太鼓2、中太鼓2、ほら貝、鐘、木魚を打ち鳴らす。
これは外国人から見れば、アメリカの黒人教会のゴスペルのように見えるだろう。
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護摩供養の終盤には、信者が自分の財布やバッグを手に持って火炎の近くに行き、それを僧侶に手渡して火にかざしてもらう。
「金運」が付くと言われている。
約40分の護摩供養に参加すると、大体の場合、元気になって帰って来られる。今回もかなり脳に刺激を受けて、元気になったような気がした。
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私は築地本願寺の門徒で月1回の早朝読経に参加しているが、こちらは同じ10名の僧侶が出て来るが、誠に静かである。
築地本願寺は親鸞聖人が開いたので阿弥陀如来がご本尊だが、深川不動尊の方は不動明王である。
不動明王は怒りの顔で、更に光背は火炎である。
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だから築地本願寺は穏やかで「静」だが、深川不動尊は「動」なのかもしれない。護摩供養に参加して、なんだか体からエネルギーが沸いて来たような気がした。
深川不動尊を出て小雨の中を足取りも軽く、ランチに向かった。
これでお昼のランチで栄養を付ければ、完璧だと思ったのだが・・・。
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(おまけの話)
胡麻供養の後に次は体から確実に元気にしようと思い、栄養を付けるために近くの「いきなりステーキ」の店に行った。
ところが店の前には雨の中なのに、10人ほどの空席待ちの客がいる。
せっかくステーキを食べて、元気を確実にしようと思った私の思惑は外れてしまった。
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仕方ないので、すぐに入れた日高屋で「野菜いっぱいタンメン」を食べた。肉が野菜になってしまい、また家を出て来た元の状態に戻ってしまった。
そのまま都バスに乗って家に戻り、どうしようかと考えた。
そして精神安定の為に、「般若心経」の写経に取り組むことにした。
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7月に中央区のシニア教養講座で初めて写経というものをやり、その魅力に取りつかれた。でもなかなか「やろう」という気にならない。
それでも2ヵ月近くで22枚は書いた。
そして、この日も1時間40分をかけて1枚書いた。
これで23枚目である。
最初の頃よりは上手になったが、その先に行けない。スランプである。
仕方ないので本を読んだら眠くなり、昼寝をしてしまった。
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