■映画が好きだ(3)
私は映画が好きだ。ほとんどの場合、1人で見に行く。
誰かと一緒に行っても、映画を見ている時は当たり前だが1人なのだから1人が良い。
私が行く映画館はTOHOシネマ、シネスイッチ、ヒューマントラスト有楽町が多い。
時には新宿まで出掛けて、武蔵野館やシネマカリテなどにも行く。
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テレビで映画はほとんど見ない。ネットでも見ない。
スマホで映画を見ている若者がいるが、あんな小さな画面では面白くない。
映画というものは「時代を反映している」のだから生もので、1年も過ぎてから見ても感動の量と言うのか重みが違う。
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映画は1人で見るのだが、劇場に行きお金を払い、大勢の観客の中で1人で見るのが良いのである。
暗い中で大画面で、大音響で見てこそ映画の醍醐味が味わえる。
座席はなるべく前の方で、しかも片方の隣に人がいない通路側を確保する。中ほどの通路の後ろの席も良い。足が前に伸ばせるからだ。
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私の好きなジャンルは「ヒューマンもの」で、しかも実話の映画化作品が好きだ。更に好きなのが、ニューヨークが出て来る物語である。
物語の背景にニューヨークの知った場所が出て来ると、「うん、あそこだな!」なんて自分だけで喜んでいる。
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映画が始まってから、大きな荷物を持って私の前を通って席に着く人がいる。これはかなり腹が立つ。なぜ始まる前に来ないんだ!
映写開始時間が迫って来て、その時に前の席が空いているとラッキーと思う。ところが予告編の時間に来て、その席に座られてガッカリすることが多い。
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映画を見る時にはポップコーンなどは買わない。見ることに熱中したいからである。飲み物も買わない。
ただTOHOシネマでポイントが溜まると、その時はコーラなどと交換する。この辺りが私の「毅然としていないところ」だと自覚している。
映画館でエンドロールが出ると席を立つ人が多いが、私は最後まで見る。そして館内が明るくなって、初めて席を立つ。それが映画製作者への礼儀だと思っているからだ。
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今までに一番困ったのは、私の前のオバサンが体のどこかにサロンパスを貼っているのだった。
サロンパスの匂いが強くて、映画に入り込めない。
そこで思い切って「すみません。サロンパスを取ってくれませんか?」と言ったのである。
オバサンは席を立って外へ出て行ったが、間もなく戻って来た。
その時はもうサロンパスの匂いはしなかった。
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(おまけの話)
早目に映画館に着き、席に座った。
私の座席番号は「D6」で、前から4列目だった。
まだ開演までに時間があるので、持参した本を読んでいた。
すると私の横に若い女性が来て、モジモジしていてなかなか座らない。
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私は怪訝に思い、彼女を見た。年のころは20代半ばくらいだろうか?
すると彼女は自分のチケットを私に見せて、「そこは私の席なんですが・・・」と言った。
私は間違えた場所に座ったかと思い、立ち上がって座席番号を確認した。しかしその座席は「D6」で間違いない。私は彼女のチケットを見せてもらったら、やはり「D6」だった。
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早とちりの多い私は「同じ番号ですね!」と言ったら、彼女も同意した。
私はネットで予約をして映画館で自分で機械で発券したが、彼女のチケットは窓口で買ったものだった。
そこで私は確認のために彼女のチケットの開始時間を見たら、それは次の回のチケットだった。
彼女が間違えたのか、売り場が間違えたのか不明だが、「ボケオヤジ!」と思われないで済んだのはなによりだった。
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(村上龍の原作の映画化。凄く怖い)