■好奇心がいっぱい
今から思い起こすと、私は若い頃から好奇心旺盛だったのではないかと思う。しかし現役の忙しい時は、その好奇心を封印していたのだろう。 引退して時間が自由に使えるようになったら途端に、その好奇心が暴発してしまったようだ。
しばらくの間は溜まった好奇心を満たすために、女房と2人で自由気儘に外国旅行をした。
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しかもありきたりの旅ではなく、好奇心を満足させるためだから秘境のような場所に行った。
タイ・ミャンマー・ラオスが接する麻薬の巣窟の「ゴールデントライアングル」にも行った。首長族の住んでいるタイ北部の村にも行った。
アラスカのマイナス42度の真冬に、露天温泉に入りにも行った。
タイのシルク王(ジム・トンプソン)が行方不明になったマレーシア北部のキャメロン・ハイランドにも行った。クアラルンプール郊外のホタルのクリスマスツリーも見に行った。他にも色々行った。
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アメリカでは車で旅行をしながら、ゴルフ場を探してゴルフをした。
夏に伊達市に行くようになる前は、毎年、タイ北部のチェンマイに滞在してゴルフをしていた。
あの頃はこんなに長生きするとは思ってもいなかったので、自由気儘な毎日を過ごしていた。
いま思うとバカみたいだが、好奇心は満たされた。
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しかし数年前からは段々と正気に戻り、人生の残り時間を考えてお金を使うようになって来た。
その頃には丁度、うまい具合に「時差のあるような海外旅行も億劫になり」、「車の運転も止め」、「伊達市のゴルフ場も閉鎖」になった。
そして「少しは世の中にお返しもしなければ・・」と思ったり、「少しはお役に立ちたい」と思うようになったのである。
「気が付くのが遅い!」と言われそうだ。
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現役の時から付き合いのあったベトナムの会社にも以前より関わらないようにした。でもベトナムの若者のお役に立ちたいと思い、5年前にはホーチミン市の日本語学校の近くのホテルに部屋を借り、毎日、学校に通いベトナム人に日本語を教えた。
私は日本に戻っても用事が無いので飽きるまでいたら、それが3ヵ月にもなってしまった。
その時に教えた生徒達が実習生として日本にやって来たので、彼女達の面倒を見ている。
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最近の私の好奇心は「江戸」である。
歴史本を読み、東京の昔を知るようになると、ドンドンと深みに嵌る。
学生時代の友人達と「都心を歩く会」を立ち上げて、江戸の面影を探して歩いていた。
ところが友人達も私と一緒に高齢化するので、「足が痛い」とか、「腰が痛い」と言い出し、「歩く会」ではなくなりつつある。
今では「都心を電車で訪ねる会」に成り下がっている。
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都心に住むようになって、「都会って、こんなに面白いのかー」と初めて知った。どこへ行くのも近い。しかもシルバーパスで行けてしまう。
また調べれば、毎日のように、どこかでイベントをやっている。
好奇心旺盛な私にとっては、「こんなに面白い場所は無い」と今は思っているが・・・・。
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(おまけの話)
今から40年以上も前だと思うが、名古屋の機械商社と取引が始まった。そこの社長とは気が合って、時々、熱田神宮近くの会社を訪問しては雑談をした。
お昼時になると「ひつまぶし」で有名な蓬莱軒に案内された。
その時、私は生まれて初めて「ひつまぶし」を食べたのである。
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蓬莱軒というのは名古屋人なら誰でも知っているし、東京でも鰻好きの人も知っている名店である。残念ながら蓬莱軒は東京には進出していない。でも似たような店が東京スカイツリーの中にある。
毎度のように、私はテレビのグルメ番組で取り上げられた蓬莱軒の「ひつまぶし」に誘われて、家族で東京スカイツリーまで「ひつまぶし」を食べに行った。
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日曜日の夜に行ったせいか、東京スカイツリーはどこも大混雑だった。
アジアからの個人観光客が多く、大騒ぎしている。
飲食店も入店待ちの客で溢れていた。でも私の行く「ひつまぶし」の店は行列が無い。他の店に比べて値段が高いからだろう。
席に案内されて、暫くして出て来た「ひつまぶし」が本家の蓬莱軒より少し甘めだが美味しかった。
食べたい時に食べたいものを食べると、本当に幸せ感に浸れるものだ。
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(1杯目はそのまま、2杯目はさらしネギで、3杯目はお茶漬けで)。