■ご馳走になる難しさ
ある日の午前中に、友人のXさんから電話があった。 『友人を連れて橋本さんの家に行きたい。そして、夜は銀座で夕食をご馳走したい』、と言うから奇特な方もいるものだ。
Xさんの友人は不動産屋の社長だそうだが、このマンションからの眺めに驚いていた。Xさんの宿泊しているホテルも、我が家から見える。
2人は地図を出してランドマークになるビルの確認をしている。
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東京にあまり明るくないXさんの為に、夕食のレストランを予約する。
友人からご馳走になる時に、こちらでレストランを予約するのは難しい。
相手の懐具合も大いに関係があるからだ。
話の中でXさんは、前夜は神楽坂の料理屋で、「1人3万円の料理を義兄にご馳走になった」と聞いていたので、少し安心する。
それでもここは少し遠慮して、「場所がいい」、「料理が美味しい」、「値段が手頃である」、「店の雰囲気が良い」という店を選ぶ。
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3人で、銀座4丁目の交差点近くの和風洋食店「ざくろ」に行く。
メニューから私の好きな「和風ロースステーキ」を頼む。
2人は『美味しい』を連発し、『値段も手ごろだ。こんな店をもっと教えてくれ』と言っている。
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Xさんは、『料理より高いワインも飲んで、3人で昨夜の1人分だ』と喜んでいた。
Xさんの喜びようを見ていたら、こちらがご馳走したと勘違いしそうになってしまった。 『ご馳走さま。Xさーん!』
食後は最近始まったばかりの、銀座の光のオブジェを見ながらブラブラして、バスで家に戻った。
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(おまけの話)
ブログというのは色々と制約があり、難しい。
特にプライバシーに関することは、後からクレームが付きかねないので注意している。
インターネットというものは便利であるが、危険もある。
誰でも見られるという良さはある半面、注意しないと誰にでも見られてしまうという危うさがあるのである。
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これが分かっていないで、知り合いの人の本名やその人の写真、時には可愛い孫の写真まで掲載しているブログを見掛けるが、それは止めた方が良いと思う。
それでも面白い話は書きたくなる。
知っている人が見れば分かる場合でも、あまり問題の無い場合はKさんとか、Sさんで登場してもらう。
そんなことがあるので、今回の話は誰だか分からないようにしてXさんで書いている。