■焼き肉とプルコギ
最近は肉を食べることが少なくなった。 年齢と共に、肉よりは魚や野菜の方が好きになったのである。そんな風になるとは、若い頃は考えられなかった。
そんなある日のことである。
『体の油が切れて来たようなので、焼き肉を食べに行かない?』と女房が言った。
そこで、都内に住む娘も誘って3人で麻布十番に出掛けて行った。
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六本木の周りの高級住宅街として知られる麻布、広尾、白金などにある焼き肉店は金持ちや芸能人が来るので、値段がやたらと高い。
そんな中で麻布十番商店街の中には、安い店が少しだけある。その中の1軒が『一番館』である。
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電話で予約をして行ったのだが、店に入って席に座って気が付いた。
私は本店に予約をしたのに、座ってしまったのは支店の方だった。相変わらずのそそっかしさである。
でも、店の人に事情を話して、そのままそこで焼き肉を食べた。
『安い』といっても、そこは麻布である。
私の地元にある『牛角』や、『さかい』の3倍はする。
出て来たカルビは凄い霜降りで、私の好みではなかった。
それでも、食後に家族で散策した麻布十番商店街は、どこか懐かしさも残っている都会の中のオアシスかもしれない。
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(おまけの話)
私が社会人になり、私の会社も韓国企業と取引をするようになった35年前にソウルに行った時のことである。
その時に韓国企業の社長に焼き肉屋に連れて行かれた。
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そして、そこに出て来たのは、私が初めて目にする焼き肉であった。
どうも私がいつも日本で食べている焼き肉とは違うと思ったら、それが韓国の正統派焼き肉のプルコギであった。
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その時に初めて知ったが、日本式の焼き肉は在日韓国人が開発し、韓国に逆輸出されたものだそうだ。
そういえば、中華料理の回転テーブルも日本人が発明し、中国に逆輸出されたと聞いた。
いずれ、日本料理もアメリカ辺りから日本へ逆輸出されたもので、美味しいものが出て来るに違いない。