■添乗員は大忙し
私の友人達と同じ日程で、私達がこの町でお世話になっているXさんの先輩2人が東京からこのゴルフ場のコテージにやって来た。 いつもはそんなに忙しくないXさんは、たまたまその時は忙しく、自分のお客のお世話を出来ないと分かった。
2人の内の1人は女性で、しかもゴルフはしないと言う。
その話を聞いてしまった私は知らぬ振りを出来ない。
ゴルフ場のコテージに来てゴルフをしないとなると、他にすることが無いのである。
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現役の時なら、『見て、見ぬふり』をしただろうが、今は引退している身である。進んでではないが、添乗員を引き受けた。
1日目の夕食は私は自分の友達と、女房はXさんの先輩との分かれての食事となった。
2日目はどうしようもなくなり、我々の夕食にXさんの先輩達も参加してもらった。
そして、第2部の夜の錦町にも参加となった。
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2日目のゴルフの後は両方のグループをワゴン車に乗せて、私の運転で観光である。
3日目は私と女房はゴルフを止めて、Xさんの先輩だけを観光に案内した。
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私の添乗で、みんなは喜んで帰って行った。
イコロ農園のTさん。『農業を休んで接待というのも、なかなか疲れるのですよ。農業の方が楽ですよー』。
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8月になっても、まだ私の友人達と、女房の友人達のグループがやって来るので、またまた夫婦で添乗員となりそうだ。
(おまけの話)
大昔のことである。
女房が料理教室の生徒を海外旅行に連れて行くことになった。目的地はシンガポールと決まった。
私は仕事の関係でシンガポールはよく知っていたし、知り合いもいた。
そこで、旅行社を通さずに、全部、自分で企画して手配した。
現地で行くレストランも観光用の店でなく、地元民が行く美味しい店を選び、メニューもFAXで打ち合わせをした。
そして、遂には女房に頼まれて、自費参加の添乗員で参加した。
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オーチャード通りに面したホテルに着いて、それぞれが各部屋に分かれて落ち着いた。
すぐに電話があり、『シャワーのお湯が出ない』と連絡がある。次に『旅行鞄の鍵が開かない』との電話だ。
部屋に駆け付けると、ダイヤル式のカギである。
『番号は何番ですか?』と聞いたら、『分からない』と言う。
息子の嫁が鞄に詰めてくれたのだと言う。
その時間はもう日本は深夜で、電話も出来ない。
仕方ないので、町から鍵屋を呼んで開けてもらった。
『もう添乗員はやらない』とその時は思ったのだが、それから暫くして、今度はエジプトに行く時に添乗員をしてしまった。そして、また懲りた。
そんなことを続けて来たので、今回の添乗なんて、楽なものであった。