■刑期を終えたラーちゃん ?
我々がコテージに滞在している間はラーちゃんは市内のMさん宅に里子に出されている。1週間に1度くらい好物のホタテを持って面会に行っていた。まるで、刑務所に入れられた服役囚のようだ。 個室を与えられているラーちゃんだが、隣室の大型犬のボルゾイとは仲が悪い。ボルゾイが窓から覗くとラーちゃんが引っ掻くので、いつも彼は鼻先を怪我している。先日は病院に連れて行ったそうだ。
でも、Mさんはいい人なので、私に文句を言えない。
もし、言われたらどうしようか?
『ラーちゃんに引っ掻かないように言っておきます』としか言えない。
3ヶ月の服役生活を終えて、ラーちゃんはコテージに戻って来た。嬉しそうだ。なんだか太ったようだ。
Mさんの家ではラーちゃんはオーガニックの餌を与えられているので、我が家に居る時より自然派になっている。
帰ったらまた安い餌に戻るのも可哀想ではないかと思い、とりあえずの分の餌をMさんの店で購入した。
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コテージに戻ったラーちゃんはすぐに私達に馴染んでいる。
やはり飼い主を忘れていないのか、或いは餌をくれる人はみんな良い人と思っているのか分からない。でも、これから過酷な旅が待っている。
苫小牧港から19時間の船旅の間は、ズーと船倉の車の中に置かれたままになる。前回はストレスで車の中に置いた物を引っ掻き回していた。
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飼い主の身勝手で、ウズベキスタンから東京へ、そして夏は伊達へと移動を繰り返し、本当は怒っているのかもしれない。来年も我々が伊達市に来る為にはMさんが預かってくれる必要がある。でも、Mさんはお店を自宅に移すという話もあるらしい。
そうなるとラーちゃんはどうなるのか?それなら我々はどうなるのか?
(おまけの話)
Mさんは信金の前の歌屋の上で店を構えている。
犬に関連した商品を販売している。
1階の入り口には大きな消費者金融の案内が出ているので、通り掛かりに私を見た人は私がMさんの店に行っても、『橋本さんはサラ金から金を借りているらしいぞ』なんて噂を立てるのではないかと心配している。
Mさんには『誤解を受けるような場所では商売は巧く行かないよ。どこか他へ移ったらどうですか?』と話している。・・・が、この店舗のオーナーも私のお友達のKさんなので困っている。