■ウズベキスタン大使館に行く
(2017年02月10日) 港区が主催して「大使館周遊スタンプラリー」という企画を出した。
それを見ると、港区にある大使館を特定の日に一般公開し、訪問した大使館でスタンプをもらい集めると、抽選でなにか当るらしいと分かった。
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日本にある外国の大使館は140であり、その内の81ヵ国が港区に集まっている。今回はその中から35ヵ国が協力してくれているが、サミットに呼ばれるような大きな国は参加していない。
因みに中央区には2ヵ国の大使館があり、それはサモア独立国とアルバニア共和国である。
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私は大使館スタンプラリーに興味を持ったのには理由がある。それは今回の一般公開の大使館の中に、我が家の愛猫「ラーちゃん」の故郷であるウズベキスタン大使館が入っていたからだ。
ラーちゃんの正式名は「ラーダ」といい、ウズベキスタンの首都のタシュケントで生まれた。あの辺りにはパキスタン、アフガニスタン、タジキスタンなどのように「スタン」が付く国名が多いが、「スタン」というのは「国」という意味である。
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これを持参して、各国大使館を訪問してスタンプを押してもらう。
ラーちゃんは実は可哀想にタシュケントの野良猫だった。
私の甥っ子は商社マンでロシア語が出来るので、ウズベキスタンに駐在していた。
その時に彼が道路で拾って、家に連れて帰った野良猫がラーちゃんだった。甥っ子が名付けたその名前のいわれは、ソ連の高級車であるラーダに由来する。
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(私は他の大使館には行かなかった)
その後、甥っ子の転勤で日本に連れ帰り、色々あって我が家に来た。
それからもう14年くらいが経つが、年齢は不詳である。
ラーちゃんの故郷のウズベキスタンの在日大使館に入れると知って、「これは行かなきゃ!」となり、ある日の午前中に家族3人で港区高輪にある大使館を訪問した。
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大使館の場所は泉岳寺の裏手にあり、3階建てで大使館員の宿舎を兼ねている。本館には入れてもらえず横の領事館の方で、入れるのはビザの申請場所である。
日本人の担当官にラーちゃんの出生の秘密と現在の病状を話したら、奥からウズベキスタン人が出て来た。私は初めてウズベキスタン人を間近で見た。
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まだ40歳代の背の高い男で、通訳を通じてラーちゃんの話を聞いて喜んでくれた。ラーちゃんの写真も持参したので、それも見せた。
「ウズベキスタンの野良猫を日本に連れて帰り、育ててくれたという話は嬉しい。8月頃が 良い季節なので、是非とも私の国を訪問して欲しい」と言っていた。
終りに記念写真を撮って、握手をして大使館を後にした。
家に帰ってからラーちゃんに記念撮影の写真を見せたが、興味が無さそうだった。
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(おまけの話)
最近のラーちゃんは病気である。年のせいか、腎臓が悪いらしい。
その症状は「腹水」が溜まる病気である。
ネコの専門病院に連れて行ったが、先生もその理由がよく分からない。
病気の原因が分からないので、薬も無いし、手術も出来ない。
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ネコ病院では、1回に1リットルの腹水を抜く。
もう1年以上も経つが、段々と腹水の溜る時間が短くなって来ている。
最初の頃は1ヶ月に1度、病院に行って腹水を抜いてもらっていた。
最近は2週間に1度でも可哀想なくらいに腹が膨らんで来る。
本人と言うか「本猫」というのか、彼女も苦しそうである。
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栄養分がみんな腹水となってしまうので、痩せて来たので心配だ。
先生は「食欲もあるし、腹が破裂することもないだろうから、腹水を抜くしかない」と言う。私の人生ではズーとペットが近くにいたので、ペットが死ぬのを何回も経験している。
でもラーちゃんは異国から来て、故郷に帰ることも出来ないでいるのだから、なんとか長生きして「この国に来て良かった」と思ってもらえるように最善を尽くしたい。
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