■横須賀見聞記(1)・・・軍港めぐり
(2014年11月16日) 次期アメリカ大統領にNYの不動産王のドナルド・トランプが選ばれた。これにより世界は激動の時代に入るのではないかと予想される。
中国は益々、南シナ海、東シナ海に進出するだろうし、世界は不安定になって行く。そこで「日本の守りは大丈夫か?」と思い、それを海から見える場所に行ってみた。
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その場所は横須賀である。
ここは戦前もそうだったが、戦後も日米海軍の重要な基地となっている。アメリカ第7艦隊の基地でもあり、米原子力空母「ドナルド・レーガン」の母港である。
ある日の朝である。
東京駅から品川駅に出て、京浜急行に乗り換えて「汐入駅」で降りる。
電車で1時間と少しの旅である。
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普通電車しか停まらない「汐入駅」を降りて、徒歩5分で汐入ターミナルに着く。ここから船に乗り、海上から米海軍と海上自衛隊の艦船を見るのが今回の目的である。
既にインターネットで予約をしてあるので、料金の1400円を支払う。
1つ前のクルーズの船が到着して降りて来た人達を見て、私はビックリした。
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80%以上の乗客が高齢者の女性であった。要するにバアサンたちだった。「なぜ?」と思ったが、理由は分からない。
彼女達は団体なので、暇なバアサンは「行けるなら、どこでもいい」というのだろうか?
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一方、私の乗る船にも団体がいた。こちらは「日産労組エルダー」という旗を掲げているので、日産自動車の労働組合の引退組だろうと思う。
労組は「戦争反対」をお題目にしているのだから、戦争に繋がる軍艦など見に来ていいのだろうか?
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観光船は45分を掛けて、軍港を巡る。
船のガイドのオバちゃんは毎日のことで飽きているのか、軍艦の説明が慣れ過ぎていて、ジョークも面白くない。
でも初めて軍艦を見る私には説明が無いと分からない。
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期待していた米海軍の原子力空母「ドナルド・レーガン」は出港していて留守だった。
ニュースなどで良く聞く「イージス艦」というのは3隻も停泊していた。1隻の価格が1500億円と聞いて驚いた。
防衛というのは金が掛かるんだなー。
トランプの政策で米軍が日本から撤退したら、自前の防衛をしなければならない。そうなると、税金が上がるのだろうなー。
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(おまけの話)
私がこのマンションに越して来て、最初に知り合いになったのが横須賀からここへ越して来ていたSさんだった。
年齢は私と同じで、フロアも同じだったので仲良くなった。
「一度、橋本さんを横須賀に連れて行って、案内をしたい」が口癖だった。
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彼は短気でよく怒る。
でも私には怒らない。なぜだか分からないが、私を尊敬していた。
色々と彼のことを知るようになり、Sさんがキリスト教の信者だと分かった。私は「キリスト教徒は穏やか」と勝手に思い込んでいたので、彼が大したことでもないのに大声で怒鳴るのが不思議だった。
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ある日の朝に、Sさんの奥さんが我が家にやって来た。
そして彼女の話に驚いた。「主人が今朝、亡くなりました。私のベッドの隣で、ウーンと言ったきりアチラへ逝ってしまいました」。
彼との付き合いは2年足らずだったが、その1週間前に私が和田倉門で撮ってあげた写真が遺影となって葬儀の席に飾ってあった。
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急行は停まらない。