■台風一過の東京
台風19号は日本に大きな被害をもたらして、太平洋上に去って行った。
13日の朝6時前に起きて、窓から外を見た。
いつもと同じ風景で、なにも変りは無かった。
テレビを点けると、各地の台風の被害を伝えている。
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私が気になっていたのは、月島で建設中のタワーマンションの屋上のクレーンだった。
私は台風前日に「クレーンを降ろさないと倒れる」と思ったからだ。
千葉県でゴルフ練習場の柱が倒れて、住宅に大きな被害を与えたからだ。それと同じことが起きたら、タワーマンションだからもっと大変なことになる。
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幸いに月島の工事中のマンションの屋上のクレーンは大丈夫だった。
ところがニュースでは「渋谷で建設中の建物の屋上のクレーンが折れて、倒れた」と報道していた。
折れたクレーンは地上までは落下しなかったようだ。
月島のクレーンが折れなかったのは、ただ運が良かっただけだろう。
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この近くでは特に被害が見えなかったので、台風一過で気持ちも良いのでカメラを持って近所をウロウロすることにした。
先ずは氾濫を免れた隅田川に行ってみた。
川の水は茶色に濁っているが、他はいつもと変わらない。
東京湾まで茶色の水が続いている。
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空を見上げると、雲ひとつ無い。「抜けるような青空」とは、こういう空を言うのだろう。これぞ「台風一過」の空なんだろう。
都道2号線の歩道を歩いて、豊洲方面に向かう。
気持ち良さそうに、ジョギングをしている人が大勢、すれ違って行く。
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豊洲大橋を渡ったところで、下に降りる。
ここが「豊洲ぐるり公園」になっていて、豊洲市場の周りを一周できる。半島の先端まで行き、レインボーブリッジや、竹芝桟橋、東京タワー、富士山などを見る。
頬を打つ風が秋の気配を運んで来ていて、とても気持ちが良い。
家から出て来て「良かったー!」とシミジミ感じた。
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魚が飛び跳ねたところを撮影するのは難しい。
どこに現れるか分からないので、15枚くらいの失敗がある。
豊洲ぐるり公園の周りの運河は、やはり茶色の水である。
魚が酸欠で苦しいのか、盛んに飛び跳ねている。
歩道を反対方向に歩いて、「豊洲ららぽーと」で昼飯にしようと思い歩いて行く。
ところが「台風の影響で開店は13時」とお知らせが出ていた。
当てが外れて、疲れが増した。
豊洲から月島まではバスに乗ったが、今日の万歩計は1万2000歩を示していた。
家に戻ってTVを見たら、東京の近県では思い掛けず大変な洪水被害を報道していた。被害にあった方々は誠にお気の毒で、心から同情します。
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(おまけの話)
私の子供の頃にも、台風はよくやって来ていた。
ラジオで台風情報が入ると、一家総出でガラス窓などに板を張り付けた。
最近の家には雨戸が無いようだが、その頃の雨戸は板で出来ていたので、それが外れることを恐れたオヤジは材木屋で買って来た板をバッテンに打ち付けていた。
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子供の頃は台風でも大雪でも、通常と違うことが起きるとウキウキした。幸いに子供の頃に住んでいた家は、水害の心配は無かった。
ある時の台風では、我が家の裏のAさんの家の屋根が飛んで行ってしまった。その屋根はすぐ近くの畑に落ちていた。
それもなんだかウキウキした。
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高校を卒業した時に友人と、我が家の愛車のトヨペットをオヤジから借りて関西地方に旅をした。名古屋から伊勢に向かう時に、変な光景を見た。ほとんどの家の瓦葺の屋根の一部だけが、新しい瓦になっているのである。
その夜の旅館で聞いて分かったが、2年前に起きた伊勢湾台風で、水没した家から逃げるために瓦を外して屋根に逃げた跡だった。
今回の台風19号は、その時の伊勢湾台風に匹敵するようだ。
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