■行列の出来る店
誰でも入ったことは無いが、気になる店があると思う。
私の気になる店は2軒ある。どちらも飲食店である。
気になるのになぜ入らないかというと、いつもそこを通ると長い行列が出来ているからである。
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「銀座 八五」
今回の店は銀座といっても、昭和通りを渡った裏通りの銀座3丁目~4丁目にかけて存在する店である。1軒目は中華そば屋で、図書館の帰りに裏道から銀座に行く時に目にする。
店は見た目は小料理屋のような佇まいで、店名は「銀座 八五」と書いてあるが、「八」の字に対して「五」の字がもの凄く小さい。
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店名の由来を調べたら、店の広さが「8.5坪」から来ているのだそうだ。だから小数点以下の「5」が小さく「五」となっているのだった。
そこで思い出した。
だいぶ以前のことだが、北海道発で全国に展開した居酒屋に「つぼ八」があった。気の毒にオーナーは大手商社に会社を牛耳られてしまった。
ここも一号店の広さの「8坪」から、店名が決められたそうだ。
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ある時、家族で映画に行った。終演が4時30分なので、「早いけれど夕食を食べてから帰ろう」ということになった。
そして私は提案した。「気になっていた八五は夕方は5時の開店なので、すぐに行けば並ばなくても入れるかもしれない」
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賛同を得たのですぐに行ったら、既に店の前には6人が並んでいた。
我々は続いて並んだので、「良かった。開店と同時に入れる」と喜んだ。
ところが開店し店員がお客を店内に案内したが、私の前で案内が終った。そして「少しお待ち下さい」と言われた。
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しばらくして食券を買ってから、店内に案内されて驚いた。
なんと客席数がカウンターだけの6席、従業員は4人もいる。
頑固そうなオヤジが中華そばを作っている。
席に座っても、話をする客はいない。
とても話をする雰囲気ではなく、「芸術的にまで高められた中華そばを頂く」という雰囲気だ。
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少し待って出て来た特製中華そばを押し頂く。
スープは透明で、塩ラーメンである。
特製を頼んだので、叉焼が余分に1枚と味付け玉子が乗っている。
スープは手間暇かけた感じが出ている。
私は美味しいとは思ったが、「また並んで食べるか?」と聞かれれば「並ばない」と答える。
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行列は無いが、ここで飼われていて捨てられた猫が、今の我が家のペッパーとポアンである。
(おまけの話)
少し塩味の強い中華そばを食べたので、喉が渇いた。
「八五」の裏の細い路地に、いつも女性で行列が出来ているジュース屋がある。
気にはなっていたが、行ったことは無い。
男性が並んでいるのを見たことが無いからだ。
喉の渇きを癒すために、初めてそのジュース屋に行った。
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店名は「バナナジュース」で、扱っているジュースもバナナだけだった。この店は古い長屋の内の1軒で、狭い店内はテイクアウト専門だった。
私の前に5人が並んでいた。恥ずかしかったが、その後に並んだ。
なかなか前へ進まない。10分待って、店の外から店内に進んだ。
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年配の夫婦か、父親と娘か分からないが、男性が注文を取り女性がジュースを作る。バナナジュースにも色々と種類がある。
私は単純なバナナジュースを注文した。
そして出来たジュースを持って、店の外に出た。
家族はストローで一口飲んだが、「もういい」と言った。
残りを私が飲んだが、普通のバナナジュースだった。
なぜあんなに並ぶのだろう?
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