■格安「うな重」の食べ歩き
2019年の夏の「土用の丑の日」は7月27日(土)である。
その日が近付くと、テレビニュースでは鰻屋の取材による報道が増える。
私の贔屓にしている「野田岩」は世間の喧騒を嫌がってか、土用丑の日は閉店にする。だから私は野田岩に倣って変人なのか、土用の丑の日に「うなぎ」を食べたことがない。
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またテレビ番組の話である。
たまたま見た番組で、「1000円台で食べられる鰻店」という特集があった。アナウンサーがオーバーに褒めちぎるので、騙されてみようと思った。
1軒目は神田・神保町の「みやび亭」で、ランチの「うな丼」は1380円である。店名に「みやび」と自分で付けるところがかなり凄く、期待が出来そうだ。
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昼時はサラリーマンで混んでいて入れないといけないと思い、開店に合わせて午前11時30分に行ったら誰もいなかった。すぐに1380円のうな丼を注文した。出て来たうな丼は半身のうなぎだが大きい。
食べ終わって、会計の時に私はオヤジに言った。
「テレビで見て期待しないで来た。でも美味しかった。安い。次回は3380円の特別うな重を注文する」と伝えたら、とても喜んでいた。
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2軒目は千駄木にある「稲毛屋」で、上野松坂屋前から都バスで行くと「道灌山下」で降りる。
昭和2年の創業で、店の構えはいかにも下町の「うなぎ屋」という感じはある。
11時30分の開店に合わせて行ったら、店の前に15人ほど並んでいたので期待が高まる。ランチメニューの「うな丼」は1680円である。
「うな丼」、「和風」、関西風」の3種類がある。
関西風は分る。しかし和風が分からない。うなぎは和食だからだ。
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店の人は忙しそうなので、「和風とはなんですか?」とは聞き難いので和風を注文した。出て来たうな丼は思っていたものと違う。
「ひつまぶし」のように刻んだ鰻の上に刻んだネギと海苔がかかっていた。お汁も「肝吸い」ではなく、ワカメ入りの味噌汁だった。
なんでこんなものに並んでいるのか?私には分からなかった。
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3軒目はテレビの別の番組で見た「大戸屋」である。
その番組はチェーン店のメニューをミシュランに載っている店の店主たちが実際に食べてみて、合格・不合格を判定するのである。
番組では、大戸屋の「うな重」は合格だった。
「2500円でこれを出すのは凄い」と言っていたので、「私も行って判定したい」と思ったのだ。
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大戸屋に初めて入った。ここも省力化で液晶画面で注文するのだが、私の席のものは壊れていた。注文して10分くらいで「うな重」が出て来た。
見た目はあまり美味しそうではない。一口食べて、ガッカリした。
皮が焼き過ぎなのか、硬くて「うなぎの干物」を食べているようだ。
ミシュラン調理人の判定は変だ。鰻屋の主人に判定させなければ駄目だ。私でも判定はバツだ。食べなきゃ良かった。
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うなぎは関西風なのか、蒸してないようだ。
(おまけの話)
以前から気になっていたのだが、道路を歩いていると牛丼屋の派手な看板が目に入る。
いつも気にもしないで通り過ぎていたが、最近になり気になり出した。
牛丼屋が「うな重」をやっているらしいのである。
しかも1000円以下の値段だから驚く。
今までなら「凄いなー」で終りなのだが、今回は違った。
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「1000円台のうな重を食べる」のが今回のテーマなので、これも試してみないと片手落ちのような気がしたのである。
でも店に入る時に知り合いに見られて、「橋本さんはあんな店でうな重を食べていた」なんて噂を流されても困る。そこで1軒だけ試してみることにして、家から離れた門前仲町の「吉野家」に行ったのである。
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店に入ったら殆どのお客は牛丼を食べているので、そこで「うな重」を注文するのも恥ずかしい。
「うまい、安い、早い」が経営方針だけあって、うな重も2分で出て来た。
一口食べたらタレは甘過ぎるし、うなぎは硬い。
食べなきゃ良かった。後悔したがもう遅い。
格好付けて、お重なんかに入れる必要は無い!、丼ぶりで充分だ!
ブログの取材とは言え、1000円以下で「うな重」を食べること自体に無理があった。
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