■活字中毒
現役の時はあまり本を読む時間が無かった。 引退したら有り余る時間を持て余し、暇さえあれば本を読んでいる。
それもジャンルは問わず、政治、経済、歴史、エッセイなど、何でも読む。この1年くらいは韓国・中国問題の話題が沸騰していたので、関連本も多く読んだ。
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以前は本は本屋で買って読んでいた。
すると読み終わった本が邪魔になり、BOOKOFFに持ち込んで買い取ってもらった。しかしほとんどの本が100円以下にしかならない。
なんだか本に申し訳ないような気がして、買うのを止めて図書館を利用するようになった。
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それまではなぜか、私は他人が読んだ本を図書館で借りて読むということに抵抗があった。
なんだか手垢まみれで、不衛生なような気がしていたからだ。
ところが図書館に慣れて来たら、新刊書が出る前に購読予約が出来る制度のあることを知った。
指定の用紙に題名、作者、出版社、価格、発行日などを書いて提出すると、発行後しばらくしてから「本の用意できました」とメールで連絡が来る。
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これに慣れてしまうと、図書館の蔵書を借りることにも抵抗が無くなってしまった。
中央区の図書館に蔵書が無い場合でも、「他区より借用」にチェックを入れておけばほとんどの場合、希望の本を借りることが出来る。
本というものは「読み出すと、読まずにいられない」という状態になる。活字中毒かもしれない。
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最近では、どうしてもすぐに読みたい新書と、定期購読の雑誌以外は買わなくなった。
これを金銭に換算すると年間に60冊は図書館から借りるので、1冊の平均価格を1500円とすると、なんと9万円にもなる。
東京都には都営交通のシルバーパスと図書館に限っても年間で20万円以上もお世話になっている。でも、現役の時にはかなりの税金を納めていたから、許されるかと思っている。でも中央区じゃなかったが・・。
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今回の画像には載せていないが、いわゆる「嫌韓本」などもかなり買って読んでいる。「嫌韓本」などとレッテルを貼られた多くの本は、中立の立場で事実を書いていることを知った。
テレビなどで受動的に与えられる情報はバイアスがかかり、信用で出来ないし断片的な情報である。
しかし本はかなり詳細を知ることが出来る利点があるのが良い。
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一番驚いたのは分厚い本の「ヴェノナ」であった。
アメリカに浸透していたソ連のスパイの暗号解読を解説した専門書である。日本の暗号など戦前から解読されていたそうで、ソ連の暗号も苦労の末に解読し原爆の製造法をソ連に伝えたローゼンバーグ夫妻を逮捕した。
暗号を解読したことはその後、ソ連が崩壊するまで50年くらいも秘密とされていた。
現実の世界は私が思っているほど綺麗ごとではなかったことを、図書館の本で知ったのである。
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(おまけの話)
以前に書いた「世界遺産登録推進フォーラム」に参加した話を書いたが、その時に会えなかった噴火湾文化研究所の元所長のOさんから8年ぶりに電話があった。
2月に学会の会議で上京するので、私に会いに来てくれると言う。
嬉しい限りである。
その前に彼の書いたサイン入りの著書を3冊、私に送って来てくれた。
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「縄文人の世界観」、「月と蛇と縄文人」、「縄文人はなぜ死者を穴に埋めたのか」など、タイトルからして興味深い。Oさんは本に売れそうな題名を付けるのが上手だ。
どれも1冊2200円もする立派な学問書で、活字と縄文が好きな私は当分の間、楽しめそうだ。
これを読み終ったら、私もいっぱしの考古学者を名乗れそうである。
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この本は「縄文人とは何者か?」を色々な角度から、Oさんが学術的に解説している。
縄文人研究に人生を掛けて来たOさんの熱意に尊敬の念すら抱く。
それに引き換え、「私は何に人生を掛けて来たのか?」と自責の念に駆られる。学者と経済人の違いもあるが、私は本も書いていないし、どこにも足跡さえ残していない。
でも凡人というのは「まあ、そんなものだろう」と諦める。
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