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[2007.07.04]
■白老沖のふぐは下関まで泳いで行くか?
私の常識では『ふぐ』は冬の食べ物である。 
ところが、昨年の夏に伊達市のI医師が『橋本さん、夏のふぐを食べたことがありますか?』 
と私に聞いた。私は『食べたことがない』と答えると、『伊達では夏にふぐを食べられるのですよ』と予想外の話があった。そう聞けば夏でも食べたくなるのが人情というものだ。 
 
それから1年が過ぎて、また私は今年も伊達市にやって来た。早速、I医師に来訪を告げた。するとすかさずメールが入り、『30日にすずひろでふぐを食べましょう。都合が良ければ予約をします』と伝えてきた。 
 
『すずひろ』というのは錦町にある和食の名店である。夫婦2人で切り盛りしているが、丁寧な仕事に定評がある。だが、ふぐを必ず食べられるという保証は無い。 
ふぐがその前の日に水揚げされないと食べられない。そこで、前日にIさんが確認した。 
幸いにもふぐは揚がっていた。 


毎年この時期だけ伊達の近くの白老と豊浦の沖で虎ふぐが獲れる。伊達沖では獲れない。どういう理由か分らないが、ふぐは伊達を避けているようだ。 
 
そのふぐがたまに間違って定置網に掛かることがあるそうだ。その時しか食べられないのが夏の貴重なふぐなのだ。捕まらなかった多くのふぐは、これから冬にかけて太平洋岸を南下して下関まで泳いで行くと女将が言っていたが本当かなー? 
 
 
生きているふぐを見せてもらったら、発砲スチロールの箱に入って泳いでいる天然虎ふぐがいて、大きさが2キロはある大物だった。 
 
ふぐコースのメニューはふぐの汁物から始まり、ふぐ刺し、ふぐサラダ、から揚げ、雑炊とふぐ尽くしである。I医師夫妻と大いに語り、そしてふぐを堪能した。東京と違い、ふぐの量が多いのが気に入った。ふぐの汁物とふぐのサラダは初めての経験だった。 
 
なかなか良い。美味しかった。でも、話によると、ここでは本番の冬にはふぐを食べないという。なぜかと聞いたら、『その時期は都会でふぐの需要が多く、値段が異常に高くなるので食べられないのだ』という答えが返ってきた。本当かなー? 
延々と3時間にわたるふぐ宴会は終り、コテージに戻ったのは夜の11時であった。 
 
 
(おまけの話) 
蟹も冬の食べ物と私は思っていた。 
ある時、K社長が『今の時期の毛蟹は美味しいよー。もうすぐ禁漁となるので、早く食べてみた方がいいよ』と言う。それではと、ある日、有珠漁港へ買いに行く算段をした。その途中でお世話になった亡きOさんの家にお線香を上げに立ち寄った。 
 
私の彫った阿弥陀如来像がこのOさんの仏壇に収められているからだ。太田生花店でお花を買い、女房と2人でOさんのお宅に伺う。お線香を上げて帰ろうとすると、奥さんからお礼として大きな毛蟹を頂いた。 
 
買うつもりでいたのに、頂いてしまった。 
毛蟹は夏に限る。また、蒸したての熱々が美味しい。 
茹でると美味しいエキスがみんなお湯の中に出てしまうので、蒸した方が美味しい。 
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心の伊達市民 第一号
心の伊達市民 第一号
北海道伊達市に2003年夏より毎年季節移住に来ていた東京出身のH氏。夏の間の3ヵ月間をトーヤレイクヒルG.C.のコテージに滞在していたが、ゴルフ場の閉鎖で滞在先を失う。それ以降は行く先が無く、都心で徘徊の毎日。 
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