■不戦敗で食事招待
秩父巡礼の旅に同行しているY君とゴルフの話になった。 私よりはかなり上手ではないY君は、先生に付いて一生懸命に練習をしている。
そんな彼を冷やかしの意味も込めて、『私の女房にゴルフで勝ったら、我が家の料理のプロが作る夕食に招待しよう』と提案した。
そして決戦の日は、3月1日に甲府の境川CCと決まった。
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ところがY君は正月から風邪気味で、全く練習どころではない。私はかなりの確率で、女房が勝つと読んでいた。
ところが、私達が急に3月10日に引越すことになり、3月1日の決戦は中止となってしまった。
そこで申し訳ないので、2月中に彼を家に招待することにした。
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そしてメールを出した。
『貴兄の不戦勝ということになりますので・・・』。
それに対してY君からは、『不戦勝とはいえ、白星とは嬉しいですね』と、返信があった。
当日はビーフシチュー、カニサラダ、鮭寿司という豪華版である。酒はパントリーの床下に保管してあった30年物のケンタッキーウイスキーである。
酒の分かるY君は『これは旨い』と感動していた。
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ご機嫌になったY君は、『次回は是非ともゴルフのお手合わせで・・』と言って帰って行ったが、次回は不戦勝は無いので、勝てないのではないかと私は秘かに思っている。
翌日、地元の忙しいM君夫妻を自宅のランチに呼んだのだが、奥さんの体調が悪く、ランチは延期の後に中止となった。
小金井を去るに付けて、M君夫妻を我が家に招けなかったのが心残りである。
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(おまけの話)
地元のM君とは随分と長い付き合いだ。
最初は幼稚園で出会った。
小学校は別だったが、途中で彼は引越しをした為に、私と同じ小学校に転校して来た。
中学から私立の学校に行ったら、彼もそこに居た。
高校も同じ学校に中央線に乗って通った。
大学に行ったら、また居た。
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私の結婚式に出た彼が挨拶で言った。
「橋本とは幼稚園から今日まで一緒だった。結婚して、やっと離れることが出来た』・・・と。
そのM君は大きな会社を経営していて、まだ現役社長で頑張っている。
彼は言う。『俺は歩く担保だから、止められないんだよ』・・・・と。