■死語となった「原っぱ」
私の住んでいる小金井市の南端に野川が流れている。 この辺りには自然が多く残されていて、市民の格好の散歩道となっている。
川は整備されていて遊歩道があるので、休日には散歩をする人、ジョギングをする人などで賑わっている。
住環境としても非常に良い場所なのだが、残念なことに駅からは徒歩だと20分くらいは掛る。
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天気の良い日に、私は自転車でブラブラと出て行った。
はけを下り、野川に出る。
野川を川下に向う。川は西から東に流れている。
少し行くと、急に視界が開ける。
そこには今でも「原っぱ」がある。今では珍しい原っぱだ。
子供の頃は「原っぱ」でよく遊んだ。
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自分の周りには、原っぱはいくらでもあった。
いつの頃からか原っぱは無くなってしまい、そこには家が立ち並んでいる。
市内では、ここは僅かに残された貴重な原っぱである。
原っぱの南端には「くじら山」がある。高さは10メートルくらいか?
向い側の原っぱでは、少年達が野球をやっている。
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原っぱでは「原っぱ祭」というのものが開かれていた。
70店近くが出展し、食べ物、飲み物などを売っている。
粗末な舞台では、入れ替わり立ち替わりに演奏が行われている。
係の人に聞いてみた。
私、 『これは何回目ですか?』
係員、『22回目です』
私、 『新しい住民達がやっているんですかー?』
係員、『いいえ、昔からの人も、新しい人もいます。』
私の地元なのに、まだまだ知らないことがあったのには驚いた。
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(おまけの話)
私の子供の頃には、野川は遊び場だった。
今より水量が多かったので、野川で泳いだ覚えがある。
「はけ」から湧き出た冷たい湧水が川を作っていたので、そこには小魚やザリガニが沢山住んでいた。
それが、ある時から公共事業の為に、野川の両側はコンクリートで固められ、見る影も無くなってしまっていた。
そこに住む小魚もいなくなってしまった。
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それが時代と共に、「川をコンクリートで固めると、自然が破壊されてしまい、そこに住む動植物が絶滅する」ということを言い出して、コンクリートを壊して土手を作り直した。
そうやって、また公共事業を作り出したのである。
何もしなければお金もかからず、自然もそのままだったのにー!