■ぶらり全駅下車の旅 (西八王子~高尾)
西八王子駅から、また甲州街道に出る。 この辺りは銀杏並木で有名である。
数キロに及ぶ銀杏並木は、紅葉した時は見ものである。
まだ紅葉には少し早かったが(10月18日)、銀杏の実がなっている。風が吹くと、銀杏の実が空から降って来る。
それをオバサンが拾っている。
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歩道にも銀杏の実が沢山落ちていて、それが歩行者に踏み潰されている。甘酸っぱいような匂いが、一面に漂っている。
西に向うに従って、紅葉が少し進んで行く。
やはり、この辺りからはかなり気温が低くなるのだろう。
道路の両側にはもう商店は殆ど無くなる。
たまにある商店は、長い年月をそこで商って来たという雰囲気で、店の扉も木製で、かなりガタが来ている。
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更に進むと多摩御陵に行く交差点と交わる。
ここを右に曲がると、多摩御陵に行ける。
今では武蔵陵墓地と言っているらしいが、その名前は昭和天皇が亡くなられてから変ったようだ。
私の時代の人達は「多摩御陵」の方が分かり易い。
多摩御陵とは大正天皇ご夫妻、昭和天皇ご夫妻のお墓のある場所である。
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更に銀杏並木を進むと、左手に高尾駅が見える。
黒いレトロな感じの駅舎がなかなかいい。
ここまで来ると、駅前にはお土産屋がある。
もうここは都会ではなく、観光地なのである。
少数の人のご希望に応えて、高尾駅まで歩いて来た。
少しはJR中央線の雰囲気が分かってもらえたなら、幸いである。
Y君とK君は、お付き合いをありがとう。
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(おまけの話)
昔のことであるが、西八王子には千人隊という組織があった。その名残で、今でも千人町という地名が残っている。
オヤジから聞いていた話では、『先祖は八王子千人隊だ』ということだった。
その役割は「日光東照宮の火消し」のはずだったのに、インターネットで調べたら、どうやら違うようだ。
徳川家康が江戸城に入った時に作った組織で、武士らしい。
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死んだオヤジを疑うのも気の毒なので、更に調べてみた。
その結果、間違いではないことが分かった。
東照宮の火消しも兼ねていたらしい。
その後、時代が過ぎて北海道苫小牧に移住したが、多摩地区のような肥沃な土地でなかった為に餓死者が続出し、また八王子に戻ったらしい。
オヤジも苦労したが、その先祖も結構苦労していたようだ。