■文字と教養の関係
私は字が下手だ。それがいつも劣等感となっている。 字を上手に書けると、それだけでその人が教養豊かな人に思えて尊敬してしまう。
実際のところは分からないが、字の上手下手と教養とは関係があるのだろうか? 美人の方が良いに決まっているように、字も上手な方が良い。

マンションの友人にKさんという人がいる。
彼の趣味は書道だと聞いていた。
ある時、Tさんが遠慮がちに『毎日書道展に出展したので、良かったら入場券を差し上げます』と言った。

私は書道に興味は無いが、Kさんの書には興味がある。
毎日書道展というのは権威のある展覧会のようで、国立新美術館の1階から3階までを使って膨大な量の書を展示している。
Kさんが言っていたのを思い出した。 『私のは3階の奥の方です』。

これを聞いていなかったら、見付けることさえ出来なかっただろうと思う。
個性的な書が「これでもか!」というほど展示してある。
こんなにも大勢の人達が書道を趣味にしているのを知って驚いた。

私には下手なのか、上手なのかも分からない。
分かるのは、大きな立派な額縁である。
書道も展覧会に出すくらいになると、額縁にお金が掛りそうだ。

肝心のKさんの作品は「槍ケ嶽」と書いてあり、私の好きな字体だ。
Tさんに来る前に聞いたら、『2本の筆を一緒に握って書いた』と言っていたが、相当な腕前なんじゃないかと思う。

でも、残念ながら入賞は逃している。
私が審査員なら、Kさんの作品は入賞だと思うんだがなー。

(おまけの話)
せっかく六本木まで行くのだからと思い、久し振りに焼きソバが名物の「梅蘭」に行ってみようと思った。

場所は分かっているつもりだったが、自分の思っていた場所には無い。
ウロウロと15分も探し歩いたが、見付からない。
仕方ないので、恥を忍んでインフォーメーションに行った。
『あのー、焼きそばで有名な店に行きたいんですが、どこですか?』。
美人の案内嬢は、『梅蘭なら、突き当りのエスカレーターを降りて左に行ったところです』と教えてくれた。

なんのことはない。私は階下ではなく、階上を探していたのである。
最近、こういうことが多くなったような気がする。
それでも久し振りの「梅蘭焼きそば」は美味しかったなー。
