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秘境の小幌駅 秘密の「仙人ルート」を行く(1)

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豊浦町に日本一の秘境駅と言われる「小幌駅」がある。

この駅が秘境と言われる所以は、両側をトンネルに挟まれ、車で行ける道はないからだろう。一日に数本しか停まらない普通列車で降りたら、うまく帰りの便をつかまえないと、ここで一夜を明かすことになる。

訪れるのは主に鉄道ファンで、写真だけ撮って帰っていく人がほとんどだ。町は毎年百万円単位の予算を組み、駅を維持するためにJRに協力している。

そんな小幌駅に、上を走る国道から沢伝いに下りる小径があるという話は、ずっと前から知っていた。カミさんと話をして、今回はその道を歩いて小幌駅に行ってみることにした。

国道37号線の小幌のトンネルを出たところの待避スペースに駐車すると、さっそく海の方にある小径を見つけ、下りていった。熊出没の看板。いざという時のためにナイフだけは携帯した。出くわしたらゆっくりその場を去る。それでも襲ってきたら戦うしかない。死んだフリでは助からない。それが現実なのだ。

右の方を下っていくと駅に向かう沢道
最後はこれで戦う?

小径はとてもきれいな水が流れる沢伝いに続く。意外と歩きやすい坂道だ。

草刈りで整備された小径
川のせせらぎを聞きながら
美しいこのキノコはタモギタケ(?)

しばらく行くと古い配電盤のような残骸が現れた。かつて鉄道で使われていたのだろう。その先でふいに視界が開け、線路に出た。小幌駅だ。久しぶりに来たが、この日は誰もいなかった。秋の始まりなのにどこかでまだセミが鳴いているのが聞こえる。

線路を渡ると、2つのルートを示す看板があった。
「岩屋観音ルート」と「文太郎浜ルート」である。
だが俺はもうひとつのルートがあるのを知っていた。

ヒガシニホントカゲの幼体

「仙人ルート」である。
他の2つのルートは行ったことがあったから今回はそっちに行きたかった。

もっとも、この「仙人ルート」というのは、俺が勝手につけた名前だ。
なぜ「仙人ルート」なのかというと、その道にかつて仙人が住んでいたからである。

「豊浦町の小幌というところに仙人がいる」。そんな噂を聞いたのは今から約25年前、伊達市に住んでた頃のことだ。「それは面白そうだ!」と早速列車に乗ってでかけた。ワンマン列車を小幌駅で降り、切符を運転士に渡すと、「いったい何しに行くの?仙人にでも会いに行くの?」なんて言われた時代である。

配電盤の残骸

その「仙人」を探し当てると、ただそこに住み着いた人であることが判明したが、いろいろな話が聞けて面白かったのを覚えている。その「仙人」も体調を崩して亡くなった。それを知ったのは、たまたま入ったラーメン屋のテレビだった。ドクターヘリを取り上げた番組で、その「仙人」が運ばれていく様子が映っていたのだった。その後、彼の住居跡は撤去された。

美しく映る空。落ちているのは胡桃かな?

だが俺はずっと思っていた。あの先に何かがあるのではないか。

そこで今回、カミさんに「仙人が住んでいた先に行ってみようよ」と提案した。
道もよくわからないルートだ。気が進まなかった彼女を無理やり引っ張って行った。

それがとんでもなくワイルドなルートだった。

(つづく)

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犬と暮らしとカヤックと

kayaker

豊浦町でワンコたちと暮らし、たまに海で遊ぶ日常をつづります。

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