■一坪農地
我が家の狭い庭に農地がある。 いわゆる家庭菜園で、その広さは1坪くらいである。
それでも私にとっては、正真正銘の『1坪農地』である。
『1』が付く熟語にはあまり良いものはないように思うのは、私の僻みか?
『1坪地主』と言えば、空港建設などの反対派の戦略だ。
『1株株主』と言えば、総会屋であろうか。

他にも『1人よがり』とか、『一見の客』とか、『1人芝居』とか、『たった1間のアパート』、『間口1間』なんてのもある。
最近は『独居老人の孤独死』なんて嫌な言い方もする。
まだまだあると思うが、気持ちが暗くなるので止める。

そろそろ暖かくなって来たので、その1坪の農地を耕して、なにか種を植えようと思っていた。
そんな時に、頃合いを図ったように伊達の農家のSさんや、イコロ農園のTさんから『冬の間、休んでいた農作業を始めます。』と便りが届いた。
そこで、天気の良い日を見計らって私も庭に出て、畑を耕した。綺麗に耕された畑は、なぜか心の故郷と感じた。
私は農家の出ではないのだが、子供の頃には私の周りには沢山の畑があったので、なんだか懐かしく感慨に耽った。

昨年の残りのSさんから送ってもらったレタスの種と、赤カブの種が残っていたので、それを種苗トレイに植えたら、すぐに芽が出て来た。
もう少し経ったら、それを1坪農地に移植しようと思う。

(おまけの話)
昨年の『お伊達パック』は、東京での販売数が私の予想を下回った。
今年から詰め合わせの内容を変えたのが不評だったのか、或いは不況の影響かは判らない。
そんな中で、女房の友人達が遠慮がちにジャガイモに付いてクレームを言って来た。『殆どのジャガイモが中が黒くなっていて、食べられなかった』と言っている。
私はすぐにSさんに連絡した。
『これが不良品かどうかは、私は農家ではないので判らない』。
すると、すぐにSさんからメールが来て、『東京へ送るその夜が丁度、凄く冷え込んだので、運送屋の倉庫にある間に冷凍になってしまい、それが運送中に解凍されて黒ずんだのだと思う』。

そして2日後には、お詫びの手紙に添えて寒〆わせしろがみんなに送られて来た。
女房の友人達も、その対応の早さに驚いて、喜んでいた。
女房はそのわせしろでキッシュを作ったが、美味しかったなー。
トヨタもSさんのように、クレームに対してはお客さんにすぐに対応していれば、アメリカ議会の公聴会に呼び出されなかったかもしれないというのは、少し大袈裟かなー?