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昔に戻れる時代

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昔活躍したiPodの第4世代が机の奥から見つかった。裏面には当時末娘にもらったシールが貼ってある。
2005年に発売されたこのiPod第4世代を思い切って手に入れた時のうれしさは格別だった。初代が発売されてから何年も悩んでやっと買ったのだ。当時俺はいろいろなところから集めた楽曲をこの1台にぶちこみ、どこに行くにも携帯して音楽を楽しんだ。

外に出て音楽を聴くという文化を作ったのは80年代のウォークマンだ。それから20年間でメディアはカセットからCD、MD、MP3と変わった。そこに現れたこのiPodはまるごと楽曲を持ち出せる世界を切り拓いた。そしてこれもまた20年が経過して静かに消えていった。今やスマホで音楽を聴く時代となった。

この昔の相棒をなんとか生き返らせたいと思った。

まずは充電のための30pinのUSBケーブルを探した。ケーブルの形状も時代と共にどんどん変わっていったが、物持ちの良い俺は持っていた。つないでみると、動かない。多分バッテリーがイカれていて、交換ができれば動くだろうと思った。
早速インターネットで調べた。すると、出てきた。こういうマニアックな情報でさえ、わざわざ発信している人がいる。ありがたい時代になった。

欲しい情報もモノも、今はすぐに見つかる。昔ならその道のプロに頼むしかなかっただろう。裏を返せば、情報とモノを武器にしてきたプロの価値が薄れつつある、ということでもある。

早速バッテリーを取り寄せ、蓋をこじ開けてみる。
やはりバッテリーはぷっくりと膨らんでいた。
新しいものに入れ替え、元どおりに組み直して、充電ケーブルをつなぐ。
あとは祈るだけだ。

すると……

ちゃんと動いた!

画面にリンゴのマークが浮かび、ホイールをクリクリクリと回すと、あの頃の曲がずらりと並んでいる。YouTubeを探しても見つからないであろう何百という曲が、そっくりそのまま生き返った。
音楽を再生し、裏面のシールをなぞる。あの頃、末娘とシール交換をしながら楽しんだなあ。

いまは、その気になれば簡単に昔へ戻れる時代でもあるのだ。

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犬と暮らしとカヤックと

kayaker

豊浦町でワンコたちと暮らし、たまに海で遊ぶ日常をつづります。

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