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恩返し(1)

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もう30年も前になるが、俺が以前勤めていた会社を辞めて北海道に来る縁を作った先輩たちが3人いる。その内の2人は俺と出会う前から強い繋がりを持つ盟友たち。そして、もうひとりの先輩は俺が間に入って引き合わせた形でみんながつながり、俺が札幌で小さな貿易会社をはじめて6-7年ほどは4人で仕事や遊びでたくさんの時間を共有した。いつも一緒にゴルフや飲食をし、ビジネスではアメリカやタイやシンガポールなどにも連れて行ったこともある。
そしてビジネスの中で最も苦しい時期に全面的に助けてくれたのもこの3人だった。いろいろなことを教わってきたこの3人の先輩たちは俺の師匠たちである。

そんな3人とはしばらくして俺が伊達に移住し、新規ビジネスを始めてからはあまり会うことがなくなった。年に何回か、札幌に行く機会には食事をして近況報告をするくらいだった。
そして月日が過ぎ、一番上の大先輩がもうかれこれ88歳。次の帯広の先輩は79歳。兄貴分の先輩も76歳と、みんなであっという間に歳をとった。

俺が札幌を離れてからも、この3人でつるむことも多かったようなのだが、ここ数年はそれぞれの事情でお互いに会うこともほとんどなくなっていることを知った。
少し寂しくなったけど、お互いに歳をとっていくことはこういうことだと俺も割り切っていたのだが、あるときに帯広の2番目の師匠が肺がんの手術後に間質性肺炎になって調子が悪いという話を聞いた。
俺はすぐに札幌の先輩たちに連絡をとって事情を聞いたのだが、どうもしばらく会っておらず、帯広の先輩本人もどうやら人と会うのを嫌がっている様子で距離をとっていたらしい。

すると俺にたまたま帯広にいく機会ができたので、その先輩に連絡をとって会う約束ができた。
当日、彼は待ち合わせの喫茶店の前で待っていてくれた。2年ぶりに会う彼はやつれ果て、酸素ボンベを背負うその姿はまるで別人のようだった。

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犬と暮らしとカヤックと

kayaker

豊浦町でワンコたちと暮らし、たまに海で遊ぶ日常をつづります。

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