■女人禁制
2015年、福岡県にある沖ノ島が、世界遺産の候補として選出された。玄界灘に浮かぶこの孤島は、島全体が神域となっており、神官一人が交代で守護している。一般人は5月27日のたった1日だけ上陸が許されるんですけど、それも”男性に限ってで、人数も200人”ほどと制限もされている。女性の立ち入りは一切認められない!現代に残る「女人禁制」の地は、国外からは性差別と思われるのではないか?世界遺産にふさわしいと認められるだろうか?…とにわかに議論が沸き上がったという…。
そもそも日本には、女人禁制の場所がたくさんあった…。代表的なものは「山」そのものでして…。山に神が宿るとされる山岳信仰の考えでは、女性の入山は固く禁じられて来た。富士山も1872年まで、女性は登山出来なかったし、比叡山や高野山、私が毎年行っている湯殿山等、聖地とされる山も同様でした。他にも修験道の修行場所も女性は近づけない…。祭りや神事でも、女性は参加出来ないものが多かったようで…。

月に一度、女性は生理のため、たくさんの血を流す。またお産の際には大量の出血を伴いますよね…?この血が、大地、土地の神を穢すものと思われたらしく、血は穢れの象徴の一つと思われていたらしい…。
だから女人禁制でなくとも、生理中の女性は神社への立ち入りや神輿を担ぐ事を自粛するよう求める暗黙のルールもあったのも事実でして…。ただ、これは日本に限ってではなく、南アジアや中東等世界各地で見られる。パキスタン北部の少数民族カラッシュ族の村や、ネパール西部等では、生理期間の女性は外出を禁じられ、「生理小屋」ともいうべき家屋に、半ば監禁されたまま過ごす。実は、今でもこの風習は続いている…。

意外と現代なっても、原初の時代に生まれた考え方に、人は縛られていたりするのかもね…?