■メンカウラー王
エジプト・ギザの三大ピラミッドは、クフ王、カフラー王、メンカウラー王の順で、時代の流れと共に段々小さくなっている…。やはり最も大きいピラミッドを建設したクフ王は、エジプト国民の誇りだったんでしょうかね?現代はともかくとして、意外にも歴史上、歴代の王たちの中で最も賛美されているのは、メンカウラー王だという…。
その理由が、三大ピラミッドの中で最小のものを建てたから!という…。当時のピラミッド建設がいかに、エジプト国民の反感を買っていたのかがわかりますよね…。
クフ王のピラミッドは、底辺の長さ約230メートル、底面積は5000平方メートルにもなる。元々の高さは146メートルだったらしいのですが、現在は頂上の部分が欠けてしまって137メートルになっている。

クフ王は、この建設のために、エジプトの全ての神殿を閉鎖して、全国民を強制的に働かせた。そのため、善政によって栄えた状態から、一変、エジプトは惨めな状態に陥ったらしい…。
エジプト国民がクフ王を恨むのも無理ない話ですよね…。そのクフ王に比べたら、メンカウラー王のピラミッドはぐっと小さく見え、その差を見るにつけ、エジプトの人々は「メンカウラー王はなんて立派だったんだろう…」と思ったかも知れませんね…。
ところが、メンカウラー王のピラミッドが小さいといっても、それはあくまで他の2つと比べた上での事。その高さ66.5メートル。立派な建造物ですよね。

この王については、神殿を開き、公平な裁判を心がけたという記録が残されていて、評判が良かったのはピラミッドが小さかったからだけではないようで、にもかかわらず、6年という短い期間で王位を退いている。メンカウラー王の評判が良かったのは、クフ王の治世があまりにも悪すぎたためか、あるいは反感を買うような事をする間もなく退位したからなのか?それは未だに謎のままですね…。