■船に描かれた竜の目
昆虫や熱帯魚には、眼の形の紋で捕食者を欺く種類がある。水田のスズメ脅しに目玉の絵が使われるように、生物にとって眼は恐れる対象になりますが、同時に眼の模様は招福除災のシンボルとして使われて来た経緯もある…。
昔の船にも「魔除け」として船首に眼が描かれているものありますよね?紀元前3世紀、アレクサンダー大王の時代の交易船でキプロス島キレニア沖で見つかったキレニア号にも船の舳先に巨大な眼がついている。これは世界の至るところで見られるものですが、特に中国福建省では、現在も船首に眼をつける事が一般なようです…。

香港にはあまり竜眼のある船はないのだけど、竜舟祭というボートレースではボートの進水式で竜眼に目を入れる点眼式を行い、船に生命を授ける。福建省の南に近接する潮州では「大眼鶏」と呼ばれる船があったという記録があるが、大眼鶏も描かれていたのは竜眼だったそうで…。
