■即身仏11 掘り起されていない塚
今まで色々な即身仏さま紹介して来ましたけど、今回は更にマニアックな事、下手したらネットで調べても、なかなか出て来ない事を紹介しようと思います。実は、○○塚と言われるまだ掘り起されていない塚が未だに残ってまして…もし、本当に即身仏さまは残っているか?疑問というよりは、ほぼ間違いなく無くなっていると思いますけどね…。
ある意味、即身仏のメッカとも言える山形県庄内地方湯殿山には、恵海塚、泉海塚、清海塚、孝海塚、千海塚、養海塚、アナダ塚、山海塚等という行人塚が未だに無数に残っているとされている。ただ、掘り起されてもいない行人のせいか、資料や言い伝えもほとんどない訳で…その中で、私が知っている塚を2つばかり紹介すると…。

昔、どこからともなく、まんかいさまという行人が助川にやって来て住み着いたが、行屋のそばに塚を築き、念仏の鉦を持って生きたままそれに入った。入る前に百日間、裸体で断食行をしたらしいが風邪ひとつひかなかった。そして、「俺は即身仏になってお前たちを護るが、特に子供のセキや風邪は必ず治してやる…」と言い残した。そのために咳の神様として信仰されるようになり、咳が治ると、そのお礼に木で小さな鳥居を作って奉納するようになった。元は小さな祠であったようなのだけど、秋田県や飽海郡から参拝に来る人があって賑わったために、1927年に今のお堂を建てたとされている…。

また、何故か新潟市の新島町にある大円寺の住職だった観海上人の塚とされる塚がこのお寺に残っている。湯殿山と刻んだ丸石がそれなのだけど、十穀聖とか十穀聖人と呼ばれていたらしい…。観海上人はどうも、大日坊系の方だったらしく、大日坊には、その方が残した鉦なんかが、今でも残っている…。結構前にはなるのだけど、とあるテレビ局で取り上げて、発掘という事になったのだけど、出ては来なかった…。