■狐の嫁入り
北海道と沖縄県を除くほぼ全国に”狐の嫁入り”という伝承がある…。どの地域においても一般には提灯行列のような怪火の事を言うのだけど…。夜間の山中や河原等で、無数の火が一列になって見えるもので、何故か近くでは見えず、遠くからしか見えない。ハレーションやプラズマの類とも言われているものではありますけどね…。
初夏の夕暮れ時に見られる事が多く、いくつもの灯火が横一列に並び、その一つひとつが上がったり下がったり、あっちへ行ったりこっちへ来たりして、全体が踊っているか?のように見える。はじめはチラチラと瞬くいくつかの小さな明りなんですが、そのうちあちこちから集まって、いつしかいっぱいに広がり、それが消えたり点いたりして、不思議で少し美しさすら感じたりします…。

新潟県の津川地区のシンボルとしてそびえ立っている麒麟山には、かつては狐が多く生息していたらしい…。あまりの険しさに狐も登る事を諦めて戻ってしまうという意味で「狐戻城」とも呼ばれていて、この山には古くから狐火(鬼火)と呼ばれる光がよく見られたという…。色は赤や橙、青等で、形もその動きも様々で、毎夜のように見える事もあったそうなの…。かつては津川の狐火は出現率が世界一とも言われて、学者さんたちもたくさん解明しようと試みたんですけど、いまだに謎のままだそうで…。

津川地区では毎年5月3日に「狐の嫁入り」が金上稲荷大祭の日に行われ、コンテストで選ばれたカップルと希望者総勢108人が、鼻筋を白く、ヒゲを描いた狐の化粧をして行列をなすお祭りが行われている。随分と人も来てますし、私的には面白かったですね。是非津川地区で、狐の面の色つけでもしながら行ってみてはいかがでしょうか?