■マリモ
阿寒湖のマリモは新緑色に輝き、まさに「湖底の宝玉」とも呼ぶにふさわしい代物ですよね?学術的に最初に確認したのは札幌農学校(現北海道大学)の植物学者・川上滝弥という人で明治30年(1897)のこと。漢字表記は「毬藻」。昭和27年(1952)に国の特別天然記念物に指定されている。
緑藻植物のシオグサ科に属する。学術的には、球状であるなしに関係はなく、緑藻の一種である糸状の植物をマリモというらしい。従って、世界各地の湖沼でも見られるし、国内の湖等でも生息している。たださ、その大部分は植物学的に異品種であったり、粗雑な塊状であったりして、美しさの点では球状を呈する阿寒湖のマリモに遠く及ばない。

では阿寒湖にだけ何故、マリモが球状となって生息するのか?諸説あって、水中の反転説、流れ下り説、砂上転がり説等…だが、「今は定まっていない!」(日本唯一のマリモ専門学芸員)のが実情だそうです…。
同湖でマリモが豊かに見られる生息域は、北部のチュウルイ湾等に集中している。ここは人跡未踏に近い河川から清流が注ぐ。かつては生息していたエリアには、貯木場が設けられるなどして環境破壊が進んだ…。綺麗な水に恵まれたところが生息の条件である事に疑いはない…。

直径20センチ程度のマリモで、推定年齢は450年から500年という…。謎はそう簡単に解けるものではないから、未だに「神秘」の形容詞をまとい続けているのでしょうね…。阿寒の水面を汚す事なく、静かに見守りたいものですね…。