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[2014.11.15]
■即身仏10 忠海上人・円明海上人
 結局もう10回も即身仏の事取り上げてるんですね…。なかなか、即身仏の資料というのが、昔の事なんで、失われているものが、ほとんどでして…。今回紹介する忠海上人と円明海上人は、現存している即身仏の中で、非常に珍しい事に、同じお寺に祀られていて、2体祀られている事態、奇跡というか、非常に珍しい…。 


 山形県酒田市、日吉町、日和山公園の近くに海向寺という真言宗智山派のお寺に祀られている。海向寺は、湯殿山の行人の建立したお寺で、行人寺といい、昔は少し変わったお祭りがあった…。「作祭」といい、湯殿山大権現が目隠しをされて両手両足の自由を奪われた審神者に乗り移り、米の作柄等、一年間の吉凶を占うような祭りが、毎年2月18日に行われるような変わったお寺でもあったようで…。 
 ただ、上人さまの詳しい伝記等は、明治27年の酒田の大地震の際に焼失してしまったようで、あまり伝説等は分かりようもなく…。 
 
 本堂の左側に、立派な即身堂がある。向かって左側が忠海上人。俗名富樫条右ェ門。元禄10(1697)年、現在の鶴岡市で、庄内藩の武士の家に生まれた。実は、忠海上人、以前紹介した本明海上人の甥っ子にあたる方らしく、本明海上人が入定を遂げて十数年後に生を享けた事になる。偉大なおじさんに憧れて注連寺に入門した条右ェ門さんは、修行生活の後、古刹ながらさびれていた酒田・海向寺を再興。中興の祖とされている。住職となるが、やっぱりおじさんの影響なのか、即身仏を志す。湯殿山の仙人沢に籠って木食行に入ったのは宝暦3(1753)年。2年後の宝暦5(1755)年2月21日、念願かなって土中入定を遂げたと伝えられている。58歳…。入定の地は、湯殿山仙人沢とも海向寺の境内とも言われている。 
 向かって右側が円明海上人。注連寺の鉄門海上人の弟子と言われてもいるのだけど…。現在の山形県余目町で明和4(1767)年に生まれた。佐藤六兵衛という人物の息子というが、本人の俗名は伝えられていない。ちょっと円明海上人、かなりあやふやな部分も多いのだけど、最初は天台宗系の羽黒山で修行を積み山伏となったらしいのだけど、当時、注連寺を拠点に各地で大活躍をしていた鉄門海上人の徳を慕って弟子入りし、鉄門海上人と共に、布教行脚の旅を続けた。海向寺の住職も務めている。入定は、文政5(1822)年5月8日。55歳…。師の鉄門海上人に先立つ事7年の入定だった。伝説によると、厳しい修行の末、半死半生の状態になり、最後は思い出深い海向寺で入定したいと希望し、信者の手で馬の背に乗せられて酒田まで下って来たそうだ…。出羽三山を望む境内の一角に用意された入定窟で入定し、その場所を示す石碑が今もある。ただ、鉄門海上人の弟子で清海という人物が残した文章には、仙台・円明海という文字もあり、円明海という方、他にもいたんですかね?少し謎の人物でもあります。ただ、お2人共に、本来は弘法大師空海に習って62歳に入定が筋なのですが、早い入定だったのも何故なんでしょうか? 
 
 忠海上人も円明海上人も、少し黒い感じがするのだけど、学術調査の前に、土中から発掘された後、生乾きだったため、蝋燭の煤やヨモギを燃やした煙で燻された形跡もあるらしい…。表面に墨や柿渋が塗られているともいう…。 
 海向寺は、他にも珍しい物がある。本堂の左に安置されている2体の木造仏、霊雲海上人と善海上人…。明治時代に海向寺の住職を務めたこの2上人もまた即身仏を志した。ただ、明治に入ってそれが許される時代ではなく、諦めきれなかった2上人は、自らの姿を木像とし、その髭の部分に自分の毛を植え付けている。即身仏となる事は出来なかったのだけど、後の世に志の足跡を残しえたのではないでしょうか? 
 
 海向寺の住職は、歴史をすごく勉強・研究されている方なので、もし行かれて、お話が出来る事が出来たらかなりラッキーかもね? 
 
 毎年、このテーマに付き合っていただいてありがとうございます。忘れずに書き残している事が、私が唯一即身仏さまに出来るご供養と思ってますので、毎年一回は、必ず書き留めて行こうと思っております。 
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タリズマン・マスター
タリズマン・マスター
1995年から、この伊達市に、占いスペースを開き、運命アドバイザーとして占いをおこなっています。  
札幌、苫小牧など、遠方よりお越しになる方も、多く占わせていただいています。  
 
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