■縁結び・縁切り
訪れると恋が叶う!良縁に恵まれる!というスポットは世界中のいたる所にありますが、京都の東山区にある安井金毘羅宮もその一つではあるんですが、ここがちょっと変わってるのが、”縁結びの神様であると同時に”悪縁切り”のご利益もある場所であるそうで…。安井金毘羅宮に祀られている主神は崇徳天皇という方なんですが、平安時代の末期、複雑な人間関係と権力争いに巻き込まれた末にクーデターに失敗して、讃岐国(現・香川県)に島流しにされた幸薄い人物として知られている…。
島流しになった崇徳天皇は、すさまじい怨念を背負って、讃岐の金毘羅宮にこもった彼は、罪が許されるように!と一切の欲を断ち切ったみたいで…。帰京を望んでいた彼は、自らの血で写経をして京都へ送ったのだけど、朝廷はそれを突き返した…。崇徳天皇は怒り狂い「日本の大魔縁(魔神)とならん!」と叫び、今度は舌を噛み切った血で恨みを写本にし、やがて失意のうちに息を引き取った方で…。

これらの事実から、自らの力では断ち切れないものを断ちたい時には崇徳天皇の霊にすがろう!と信仰を集めるようになった…。そんな安井金毘羅宮の境内で、異様な雰囲気をかもし出しているのが「縁切り縁結び碑」というのがある。
元々は絵馬の形をした大きな岩だというのだけど、表面には「形代」というお札が何千、何万と貼り付けられている…。
形代は願掛けする人の身代わりなのだけど、形代に願い事を書いたら、それを念じながら神の力が注がれているという碑の中央の穴をくぐる。碑の表から裏にくぐると悪縁が断たれ、裏から表にくぐると良縁に恵まれるとされている。

「縁は異なもの味なもの」とはいうものの、悪縁でがんじがらめになると身を滅ぼしかねないから、自分の力が及ばなくなった時、人はここに足を運ぶのでしょうね…。良縁を求める方も悪縁を切りたい方も、安井金毘羅宮お勧めです。