■香典
法事の事、コラムにしたら意外とお客様辺りから評判良かったもんで、今回は香典の事、書こうと思います。当たり前の事なんで、おさらいの意味で、読んでくれたら幸いです。香は文字どうりの「お香」の事ですよね。また、香典の典は、元々「奠」という字であり、「すすめる」(香を供える)といった意味合いを持った言葉です。
まぁ、香典の本来のかたちは、香を供える事、または香を焚いてその薫りを供える事だったんですわ。それが、死者の霊前に金銭や供物を供える事に変化し、時代が下がるにつれて現金のほうが多くなって来た訳です。

ついでだから、御霊前と御仏前の違いも書いておくと、葬儀に参列する弔問者にとって宗教が分からなくて困る事ってないですかね?そんな時に香典を包むには、表書きを「御霊前」とするのが最も無難といえるでしょう。「御霊前」は宗教・宗派が違っても共通で使えるからですけどね。
仏式だったら、「御霊前」のほか、「御香典」「御香料」が一般的ですね。但し、仏式での年回忌の法要等では「御仏前」とします。「御仏前」は通夜や告別式では使いません!というのは、「霊」が四十九日を過ぎないと「仏」にならない!とされているからですよね。この事は仏教本来の教えとは関係なく、広く定着している考え方だからです。ただ、浄土真宗では死後即成仏とする考え方なので四十九日以前であっても「御仏前」とします。

表書きは慶弔ともに毛筆で書くのが正式なやり方で、弔事の場合には薄墨を用いるのがしきたりとなっています。これは、”涙で墨も薄まってしまう…”という意味を表しているからです。