■雪女
今年最後のコラムに、コレって?とも思ったんですが、ちょうど伊達もさすがに根雪になっているから、許して下さいね。(笑)この話は、昔話や怪談として、本州では多いんだけど、雪国のはずの北海道では聞きませんよね?どなたか、北海道の雪女の話って知っている方、教えてくれませんかね?私、聞いた事ないんですけど…。
冬の怪談というか、妖怪というか、雪女は地方によって呼び名はそれぞれで、山形では雪女郎、新潟ではユキアネサ、宮城県ではユキバンバ、長野県諏訪ではシッケンケン、愛媛県宇和では雪婆(ゆきんば)、宮崎県では雪バジョ等と呼ばれているらしいんですが、そのほかにも、ツララオンナ、カネコリムスメ、シガマニョウボウという呼び名もあるようで…。
どういう訳か、雪女の話は東北等の寒い地方だけでなく、温暖な地方にも残っている…。百年前は今より冷涼で、南の地方でも大雪ってあったようだから、それも不思議ではないのかも知れませんけどね。

よく聞く話では、雪女に出合うと精を抜かれてしまう!という話が多いのだけど、他にも血も凍りそうな雪女の行いが、各地に伝承されている。福井県や茨城県、福島県磐城地方等では、声をかけられて返事をせずに後ろ姿を見せると谷底へ突き落とされるそうだし、新潟県では人を凍死させたり、子供をさらって生き胆を取ってしまう!と伝えられている…。
他にも雪女の伝承は数あるが、最も有名なのは、小泉八雲が描いた「怪談」の雪女の話ではないでしょうか?八雲が描いた雪女は、東京都西多摩郡調布村(現在の青梅市中部あたり)の話が元になっているようなんだけど、この話を紹介しましょう。ご存知な方も多いだろうけどね…。
武蔵の国のある村に、年老いた茂作と若い見習いの巳之吉という2人のきこりが住んでいた。ある冬の日、大吹雪で里に戻れなくなった2人は、山小屋で一晩を明かす事になる…。
その夜、巳之吉があまりの寒さに目を覚ますと、隣で寝ていた茂作に恐ろしい目をした白づくめの美しい女が、白い息を吹きかけているのが見えた。女は巳之吉にも息を吹きかけようと覆いかぶさって来たが、しばらく巳之吉を見つめた後、笑みを浮かべてこうつぶやいた「お前もあの老人のようにしてやろうと思ったが、若くてきれいだから助けてやる。だが、お前は今夜のことを誰にも言ってはいけない。誰かに言ったら命はないと思え」。翌朝、巳之吉が目を覚ますと、茂作が隣で冷たくなって死んでいた。

お雪はとてもよく出来た妻であったが、不思議な事に何年経っても歳をとらなかった。
ある夜、子供たちを寝かしつけたお雪に「お前は、私が18歳の頃に見た不思議な女に似ている。恐ろしい出来事だったが、あれは夢だったのだろうか…」と巳之吉が言った。すると、お雪は途端に形相を変え「その時お前が見たのは私だ!あの時お前に、もしこの事を人にしゃべった殺す!と言ったが、ここで寝ている子供たちを見ると、それは忍びない。しかし、もうここにはいられない…」と言い残し、お雪の体はみるみる溶けて、白い霧になって消えていった…。
それ以来、お雪の姿を見た者はいなかった…。
というのが、小泉八雲の怪談で紹介されている雪女の話ですよね。昔なら雪女、現代なら口裂け女(古い)あたりになるのでしょうかね?全国の雪女の伝承って知りたいです。または、全国に伝わる妖怪・怪談の類、知らせて欲しいですね。興味ありまくりなんで(笑)。