■我が家のA級ディナー
今までに何回も「C級グルメ」の話を書いたので、「おまえはC級しか知らないんだなー」と思われているかもしれない。 そこで今回は思い切ってA級グルメを食べた話である。
但し、レストランではなく、自宅の夕食である。

少し前に「築地場外市場のその後」という話を書いたが、その時に買った食材で女房が夕食を作り私がそれを食べた話である。
そして急に思い出した。
最近は昔のことを急に思い出すことが増えたのはボケの始まりか?

左上の2つは「松茸のフライ」。
思い出した話というのは「私、作る人、僕食べる人」というハウス食品のCMで、テレビで盛んに流れていた。それは1975年のことで、その時も「これは性差別だ! 料理を作るのは女性だと決めつけている」と問題になり、2ヵ月でCMは取り止めになった。

我が家は結婚以来、ズーと「女房は作る人、私は食べる人」を続けている。これは仕方がない。
女房は現役の時は料理研究家だったので、私の作る料理などとても食べる気など起きないだろうと思っていたからである。
でも幸いに我が家では「性差別だー!」なんて言われない。
その代り、私は食後に食器を台所に下げ、生ゴミを置き場に出しに行っている。

さてA級グルメの夕食の話である。
築地場外市場で買った材料は「松茸」、「カボス」、「生牡蠣」、「戻りカツオ」、「鰹節」、「茗荷」、「べったら漬け」、そしてお米はもちろん伊達市から届いたばかりの「ゆめぴりか」である。
これだけ並ぶと、どれから手を付けていいか迷う。
先ずはお吸い物を味わう。松茸は中国産だが、かなり香りが強い。

次に牡蠣フライと思ったが、松茸のフライに手を伸ばす。
でもこれは禁止である。子供の頃に母親から「迷い箸は駄目!」と怒られた思い出がある。でも松茸のフライを口に運ぶ。これも美味しい。
次に松茸ご飯に行く。
松茸を避けて、ご飯を口に入れる。松茸の香りが移っていて美味しい。
子供の頃に「美味しいものは後に残しておく」という習慣が身に着いてしまっていて松茸は後になる。

最後にやっと「カツオのタタキ」に箸が行く。
生魚をあまり好きでない私でも、「戻りカツオのタタキ」は美味しいと思う。黙って食べていたら、女房が「美味しいの?」と私に聞く。
私は怒られないように「全部、美味しいよ」と答える。
プロの女房が作った料理が不味いわけがない。
料理上手の女房を持つと、外食が美味しいと感じなくなるのが欠点である。

(おまけの話)
注文したのを忘れていたら、北海道の壮瞥町の岩倉果樹園からリンゴが届いた。箱を開けたら、部屋いっぱいにリンゴの香りが広がった。
20個詰めの段ボール箱に18個のレッドゴールドと、瓶詰の笹竹の水煮が入っていた。そして手紙も入っていて、そこには奥さんの字で次の様に書かれていた。

「今年はリンゴ全体が遅れ、蜜入りもいつもより少なめですが、採りたてを送ります。主人がタケノコを入れるように言い、リンゴを2個抜いてごめんなさい」とあった。
このタケノコは採るのが大変なことを知っているので、かえって嬉しかった。壮瞥町から2種類のA級グルメが届いたのである。

「リンゴの蜜」とは何か?を知りたくて、ネットで調べてみた。
すると説明では「リンゴが完熟すると、細胞内が蜜で充満する。それが飽和状態を過ぎると、その蜜が細胞外に溢れ出す。それがリンゴに蜜が入った状態」とあった。
なるほど、それで蜜入りリンゴは甘いんだと分かった。
