■マッカリーナと羊蹄山
秋の一日洞爺湖から真狩方面のドライブに出る。 洞爺湖の東湖畔道路は両側からの木々が黄色や紅色に色づいて、明るいトンネルとなっていた。

途中「岩屋観音」という所に、車を停めて山道を15分くらい歩き、義経伝説の岩屋を訪ねた。北海道には義経伝説が多く残る。この稀代の英雄を簡単には死なせたくなかったのだろう。蝦夷地の各地を経て遠くモンゴルまで行き、チンギスハーンとなって再び活躍させている。
洞爺湖の岩屋洞窟に伝わる話は、
義経岩は湖岸後方の中腹に高さ約50mの巨巌が直立し、南側に広さ20畳に及ぶ洞窟あり。伝説によれば、源義経戦に破れ、難をこの洞窟に逃れる。土人が岩を囲み毒矢を引こうとしたとき、洞窟より五色の後光と共に観世音菩薩の御影を拝し、目がくらみ降伏したという。洞窟には江戸時代徳川家より有珠善光寺にて拝領の千手観音像を安置している。
洞窟のある岩は一枚岩で直立している。4人の方がロッククライミングの練習中で、ロープをたどりながら登っていた。
ルスツの道の駅に寄り、野菜類をもとめた。ここの道の駅は野菜類が豊富だ。
ごぼうとか長いもはここら辺りの名産である。きっと柔らかい火山灰台地が、これら地中深く成長する作物に適しているのではないかと推察している。
昼時になったので、真狩のおそば屋さんに寄って、温かいおそばをいただく。
帰り道、真狩の町からちょっと外れた所にある真狩温泉に車を停めた。この温泉の露天風呂は、目の前に大きな羊蹄山が見える、ちょっといいお風呂だそうだ。わたしは未だ入ったことがないが、先日知り合いの方と訪れたことがある女房の弁である。
この温泉の近くに、マッカリーナというレストランがある。2008年7月の洞爺湖サミットの一日、各国首脳の奥さん方がここで昼食を取ったことで一躍有名になった。
野菜を中心とした料理は、“真狩の誇る野菜の宝箱”と称されるようだ。わたしは食べたことがありませんが。
確かにこの場所はロケーションが素晴らしい。青緑色の瀟洒なレストランと宿泊棟の建物が丘の少し窪んだところに建っている。その向こうには森が広がり、羊蹄山と裾野が広がっている。建物のそばには、今の時期だと黄色や褐色になった白樺の木が何本か配されている。晩秋の今頃の木々が様々な色に色づいているのもよし、また新緑の頃の木々や背景の残雪をいただく羊蹄山との合作の風景も素晴らしいだろうと想像した。
今まで近くを通っても訪れたことがない場所だったが、きょうこの景色を見ると、また訪ねてみたくなる場所だった。

ゆりの花絡みでもあるのか、真狩はゆりねの一大産地でもある。ゆりねは北海道が全国の9割以上を生産するが、真狩では北海道の4割を生産するとのことだ。ゆりねは出荷までに6年の歳月をかけて、冬には一旦土から掘り起こし、また次の年に土に戻すという過程を繰り返すそうだ。また花芽の摘み取りなどの作業があり、とても手間ひまがかかる作物である。カリウム、鉄分が豊富で中国から入った頃は薬用に供された。
真狩の名を高からしめた人に細川たかしがいる。伊達からニセコに向う裏道を通ると細川たかしを「讃える碑」がある。この人とお父さんが、真狩の名とじゃがいもの産地であることを全国に知らしめた。「北酒場」や「矢切の渡し」は一世を風靡した。「北酒場」は、わたしもカラオケでよく歌いました。
今回は真狩づくしでした。
(2011-11-1記)