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[2011.06.07]
■アポイ岳
6月4日に日帰りバスツアーで、アポイ岳の山行に参加した。  
学生時代に一度登って以来なので、わたしにとって、40数年振りのアポイ岳である。  
朝4:55に伊達でバスに乗り込み、夜の21:30に伊達まで送ってもらう、長い一日のバスの旅と山行であった。  



ご存知のようにアポイ岳は、日高の襟裳岬に近い様似にある山なので、伊達から自分で車を運転して行き、山行を実行して、再び自分で車を運転して戻るには、日帰りではかなり厳しい。通常は一泊を要する山である。概ね片道230kmくらいである。  
バスツアーだと、自分でハンドルを握ることがないので、車中眠ったり、山行後はアルコールで身体をほぐしながら伊達まで送ってもらえる気安さがある。  
 
一行16人のパーティーで、うち男性は4人、残りがおばちゃま方である、圧倒的に女性優位の世界である。お話を伺っていると、毎年この“アポイ岳のバスツアー”に参加されている方もいるそうだ。運転手さんとも顔なじみで、ツーカーで話されている。  
様似の現地についてからは、ガイドの谷村さんがついて山の案内をしてくれる。そして添乗員の男性もこの一行の最後尾についていっしょに歩いてくれた。  
歩くペースは、一番ゆっくりの方に合わせるので、かなりゆっくりである。  
アポイ岳は、“高山植物の宝庫”、“花のアポイ”とも云われ訪れる人が多い山である。また、近年この地域は、“アポイ岳ジオパーク”として自然を体感してもらおうと力を入れている地域なので、登山道はしっかりしている。また所々には、アポイの自然を解説するきれいな立て看板が整備されていた。  
 
わたしは、実に40数年ぶりにこの山に登ったのだが、ほとんど記憶がない。かろうじて5合目の小屋の辺りから、上の馬の背やそこから山頂に続く尾根の形を見て、かってここに来たのかなとかすかに感じた程度だった。5合目から先の道では、岩がごつごつした箇所が増えるが、このあたりの景色も、もうすっかり忘れてしまっている。  
この山の不思議なのは、5合目から先で一旦ハイマツ帯が出てきて、樹林帯が切れたかと思うと810mの山頂はぐるりとダケカンバの木で囲まれているのだ。植生が普通の山とは異なる。  
 
かつて東芝日曜劇場というドラマの定番番組があった。もう45年前くらいの話だが、  
“アポイの休日”という題名で、宇野重吉が主演で養蜂家の役になり、このアポイの地でロケしたドラマがあった。花を追って蜂飼いをする老人とオシの少女とを大自然を背景に詩情豊かに描いた作品だった。セリフがあまりなく自然の景観を多く見せていた印象がある。この番組で、アポイの存在を知ったのかもしれない。  
ガイドさんの話では、40年以上前のアポイ岳は、それはそれは高山植物が豊富なところだったそうだ。5合目の小屋から馬の背を望むと、木がなかったから花でいっぱいの景色が望めた。登っていく人の姿も望めた。その後、ゴヨウマツが増えてきて花類が激減していった。確かにいま馬の背や稜線の方を望むと、山肌にゴヨウマツの木々が数多い。植生が変わってきたのだ。  
今年は、寒いためか例年より花の開花が半月くらい遅れているそうだ。  
 
アポイの名は、アイヌ語の「アペ(火)・オイ(多い所)・ヌプリ(山)」が略されたもので「大火を焚いた山」という意味だそうだ。昔、アイヌの人々がこの山で火を焚き、食料であった鹿の豊猟をカムイ(神)に祈ったという伝説に由来している。(以上、山頂のジオパークの立て看板の説明による)  
アポイという言葉の響きが、優しい感じを与える。日高の山についている、例えば「カムイエクウチカウシ山」、「コイカクシュサツナイ岳」、「エサオマントッタベツ岳」などという舌をかみそうなぎょうぎょうしい名前と異なり、音が心地よい。  
そんな優しい響きの山に、高山植物がたくさん花開くということで人気の山になるのだろうなあ。  
 
帰り道、ガイドさんが「ヒメチャマダラセセリという蝶が飛んでいるよ」と教えてくれた。みんなで「どれどれ!?」と目で追うと、やっと見つけた。数m先の岩の辺りを小さな黒っぽいものが2匹(正式には、蝶は1頭、2頭と呼ぶとガイドさんに教わったのだが、耳慣れないので)飛んでいた。ハエのちょっと大きいくらいなものだった。この蝶は、アポイ岳にしかいないもので、昭和50年に国の天然記念物に指定されているとのこと。勿論捕獲したりしたら警察に捕まります。ガイドさんの話では、先年、網を持って挙動のおかしい若い男を注視していたら、ヒメチャマダラセセリを捕ろうとしていた。調べてみたら、かごの中に7匹の蝶が入っていたので、警察で現行犯逮捕されたそうだ。  
 
下山後、16:00~17:00までが、近くの丘の上のアポイ山荘での入浴タイムであった。新しくきれいなお風呂に浸かるのも、そそくさと30分で切り上げて、大広間の休憩室で生ビールを飲む。山登りも無事に終えて、快い疲れを温泉で癒して、まずは一杯のビールでのどを潤そう!のどを鳴らしてウグッウグッと風呂上りのビールを味合う。  
“生きの喜びがわが胸に充つ”何かほっとする時間帯である。枝豆をつまみに2杯飲んだら、ちょうど時間となった。  
再びバスの人となって帰り道につく。様似郊外のセイコーマートに立ち寄って、夕食のお弁当や車内での飲み物、つまみを仕入れて、バスの中での飲み会となる。  
途中、どなたかの情報で、浦河あたりで地元のスーパーに立ち寄り、“たこまんまのかまぼこ風”をみんなでおみやげにもとめたりした。ここのスーパーのおばあちゃんの発案になる商品とのことだった。人が集まると多様な情報があるものだ。“ご当地物産巡りバスツアーだねえ!”という声も出てくる。  
 
確かに40数年前にこの山に登ったのだろうか?と思ってしまうほど、記憶がかすれてしまっていた。当時カメラで記録に残すことも多くなかったので、この山に行ったときの写真が残っていない。仲間の誰といったのかも覚えていない。  
わたしにとってはそんな薄い記憶の山であったが、今回アポイ岳に行って、現在の山を見てきて少しほっとするものがあった。  
(2011-6-7記) 
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▼コメント(1)
名前:Solus  2011.06.08 06:31:52
 
 
 様似に友人がおります。  
 
 その方は『アポイの高山植物』という図鑑を書いた方で、いつか一緒に登ってみたい憧れの山です。  
 
 
  

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プロフィール
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2007年に横浜から夫婦で移住。趣味は自然観察/山登り、そしてスケッチやエッセーを書く・・・ 
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