MENU

生命の儚さを体験する大切さ

33

例年より少し早いが、今年もウチに大型甲虫が舞い込んできた。クワガタやカミキリは、この季節になるとよく訪れてくれる。今年の一発目はミヤマクワガタだ。

小学生の頃は市街地に住んでいた。蝶やトンボ、セミなどは身近にいたので虫網でよく捕まえたものだが、カブトムシやクワガタといった大型甲虫はめずらしく、憧れの存在だった。なけなしの小遣いをはたいてカブトムシを買っては飼育したが、クワガタは値が張って手が出なかった。

ところが、せっかく買ってきたカブトムシも、秋になるとバタバタと死んでいく。エサをあげているのになぜか全滅する。当時はわからなかったが、カブトムシは幼虫として一年を過ごし、成虫になるとわずか数ヶ月で死ぬ運命にある。秋口になると体内にタイマーが作動するかのように体液の循環が止まり、やがて握力も失って木にもつかまれなくなり、息絶えてしまうのだ。

ミヤマクワガタも同様だ。北海道では本州より大きく育つらしいが、意外にも暑さに弱く、涼しい気候が合うのだろう。幼虫時代は二年以上と長いのに、成虫になると数ヶ月で果ててしまう。セミもそうだが、長い地中での時間を経てやっと地上に出てきても、すぐに命を終える昆虫は珍しくない。

そういうことを知ったある時から、俺はもう虫を飼うことができなくなった。大人になった今、ウチに迷い込んできた彼らを見かけると、自然と慈悲の気持ちが湧き上がってくる。

今回のクワガタも、いつものように近所の子どもたちに渡した。彼にとって良かったのかどうかはわからない。ただ、もらった子どもたちはきっと、飼育しながらやがて死んでいく虫を見て、命の儚さを体で知っていくだろう。その経験が、大人になったとき大切な体験として残るはずだ。
クワガタくん、残りの命をかけてのミッション、がんばってくれ。

\ この記事をシェアする /

犬と暮らしとカヤックと

kayaker

豊浦町でワンコたちと暮らし、たまに海で遊ぶ日常をつづります。

アクセス総数
45,792回

コメントはまだありません。

コメントを書く


kayakerTOPページに戻る