三越デパートで朝食用のパンを買った。最近は地下食料品売り場にも、多くの外国人観光客が来ている。日本のデパートの食料品売り場は、外国人には面白いに違いない。
三越を出て裏の三原通りを歩いて行くと、王子製紙(王子ホールディングス)の本社がある。
道路に面した敷地の中には、ガス灯を模した街路灯が何基かある。
その横に「ハナミズキ」が植えられていて、いまは紅葉の真っ盛りだった。
銀座にも小さな初冬がやって来ていた。

少し先で1つ裏の道に出てそのまま進むと、「大統領」という名前の韓国家庭料理店がある。店名が凄いと感心する。恥かしげもなく大きな名前を付けている。
いつも気になっているのだが、店先にピンク色の大きなカエルの置物がある。
今回はその「ピンクのカエル」を調べてみた。
すると『韓国の諺で、カエルはオタマジャクシが大きくなったもの。だから若い頃に苦労して成功した人が、昔のことを忘れて偉そうにすることを例えている』とあった。
成功した店主の戒めかもしれない。
その諺とどう関係があるのか、韓国には「カエル焼酎」という有名ブランドがある。
店先にカエルの置物がある店は『カエル焼酎があります』というサインでもあるそうだ。

カエルの置物を横目で見ながら、先に進む。
すると右側のかなり広い一角が更地になっていて、なにか建設予定があるようだ。
いまは更地になっているので、普段は見られないビルの背中が見える。
細長いビルが4軒建っているが、それぞれに背中の趣が違い面白い。
私は見た瞬間に「これはアートだ!」と感じて写真を撮った。
あまり上手く撮れなかったので、「アート」の雰囲気が伝わらないのが残念である。

また三原通に戻り、銀座4丁目方面に向かった。
すると「三原通り」と書かれた道路標識に、チェーンで電動自転車がくくり付けられているのが見えた。最近よく街で見掛けるが、「極太タイヤ電動アシスト自転車」である。
「なぜタイヤが太いと良いのか?」を調べたら、「タイヤの太さは路面設置力から減衰性能、安全性に優れる」とのことだった。しかし普通の電動アシスト自転車の価格が6万円くらいなのに、写真の自転車は15万8000円もする。
この光景は銀座の風景に溶け込んでいて、「お洒落な街」という感じを出していた。

銀座4丁目交差点で、やっと表通りに出た。
交差点の角で外国人観光客が大勢立ち止まって、写真撮影をしていた。
ここは「GINZA PLACE」という建物で、1階は日産自動車のショールーム「NISSAN CROSSING」である。そこに巨大な猫が車の上に乗っていた。
「なんだろう?」と思い説明書を読んだら、『NISSAN CROSSINGでは、水川かたまりさん(空気階段)脚本のスペシャル短編ドラマ『3メートルの猫』の公開を記念し、上質をまとったプレミアムコンパクトカー「日産オーラ」とともに「実物大3メートルの猫」を展示しております』と書いてあり、そのドラマが見られるQRコードも貼ってあった。

信号を渡り銀座通りを左に少しだけ進み、右へ曲がってまた裏通りに行く。
並木通りを左に曲がって少し進むと、この道にはお洒落なブランド店が並んでいる。
「ROLEX」の隣の「ETRO」と書かれた店の前に、ブルーの車が停まっていた。
近寄って見たら、米国車の「Jeep」だった。Jeepはお洒落に街に溶け込んでいた。
トランプ大統領は日本に車を売りたいなら、日本に文句を言う前に『Jeepのように、日本向けに右ハンドル車を作れ!』とフォードやゼネラルモーターに言った方が良い。

信号を渡り銀座通りを少しだけ進み、右へ曲がってまた裏通りに行く。
並木通りを左に曲がってかなり進むと、左側にかなり派手なケーキ屋があった。
店先に置いてあったパンフレットを取り、開いて中を見た。
店の名前は「銀座ピエス・モンテ」で、もうクリスマスケーキのカタログだった。
イチゴをたっぷり乗せた7号(21センチ)のケーキは、驚きの2万2000円もする。
5号(15センチ)でも、9500円である。
最近はクリスマスケーキを買わなくなったので、値段に驚きながら先に進んだ。

(おまけの話)【銀座のギャラリー巡り】
三越デパートの2本後ろの通りを進み、銀座3丁目の「キャノン・ギャラリー銀座」がある。
ここは私の好きな写真展がある。「好きな」というのは、「私でも分かる作品」だからだ。
今回は「龍宮城」というタイトルで、多くの水中写真が飾られていた。
カメラマンは「藤川智之」という人で、会場にいたので話し掛けてみた。
どうやらプロではないようで、サラリーマンを卒業してから水中写真撮影を始めたようだ。素晴らしい写真ばかりで、撮影場所を聞いてみたら、『ほとんどが国内です』と言っていた。
ギャラリー巡りも時には、このような素晴らしい写真に出会える楽しみがある。

銀座4丁目の交差点角に「GINZA PLACE」があり、その6階に「ソニー・イメージング・ギャラリー」がある。このギャラリーは公募作品だけを展示している。ギャラリーに行ったら、いつもと雰囲気が違う。
部屋を半分に仕切り、奥の部屋は暗くしてあり、スクリーンになにか映し出されていた。
数個のスツールが置かれていたので、それに座って映像を見た。
あまりに前衛的で、私には理解不能の動画が映されていた。4人の作者の作品を順番に写しているのだが、特にストーリーがあるわけでも無いようだ。
タイトルは「光凪」、「うろうろしているように見えても 迷っていないこともある」、「すきとおる」、「CONNECT」の4本で、タイトルからして難解である。

裏通りを進み銀座7丁目の「ノエビア銀座ギャラリー」に行った。
「ノエビア」というのは日本の化粧品会社で、「NOEVIR」と書く。
その意味は「スペイン語で恋人を意味する男性名詞「novio」と、女性名詞の「novia」から案出された造語だそうだ。
展示作品のタイトルは「笑顔の魔法」で、フランスのポスター作家の「レイモン・サヴィニャック」の作品だった。
明るい色調の原画で、中にはどこかの会社のコマーシャルで見たような気がした。
やはりアートはあまり難解でなく、万人が分かるものが良いと感じた銀座ギャラリー巡りだった。

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北海道伊達市に2003年夏より毎年季節移住に来ていた東京出身のH氏。夏の間の3ヵ月間をトーヤレイクヒルG.C.のコテージに滞在していたが、ゴルフ場の閉鎖で滞在先を失う。それ以降は行く先が無く、都心で徘徊の毎日。
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銀座というところは面白く変化に富んでいる。僅か半日?徘徊しただけでこれ程に話題豊富な街であることを知った。外国人が集うのも判るような気がする。それが銀座の魅力なんだろうか?三多摩人には少し疲れる。
建設のために空き地になった時、初めて建物の裏側を見るチャンスが訪れる。その時、小さな驚きがある。それを写真に収める。そこにアート性を見出す。ますます、いいですね。