ワンズと夕方に漁港のあたりを散歩していたら、上から何かが落ちてきた。白い何かが目の前をかすめ、道路に「ベチャ!」と着弾した。カラスのフン爆弾である。危うく頭を直撃するところだった。

上を見ると、カラスが2羽、街灯の上に並んで「くそ、もう少しだったのに……」と悔しがっているように見える。そしてすかさずもう一発。俺はワンズをグイと引っ張り、危険地帯を脱した。無言でこちらを観察し続ける彼らに怒鳴りつけると、一羽はどこかへ飛び去っていった。どうにも我々を狙っていた確信犯にしか見えない。まったくけしからん奴らだ。

少し歩くと、漁協の建物の屋上に何かが張り巡らされているのに気がついた。よく見ると、無数の針金が林立している。なるほど……これはカラスやウミネコを寄せ付けないための、針のむしろ作戦だ。その効果は絶大らしく、建物の壁は完璧にきれいに保たれていた。ときどき通る散歩ルートなのに、今まで全く気づかなかった。

港にはたくさんの鳥たちが戯れている。毎日この空の下で海に生きる人たちは、彼らと共存するための知恵をずっと積み重ねてきたのだろう。フンを食らいかけた身としては、その苦労に共感できたような気がした。

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