■虚舟
UFOは江戸時代くらいから、頻繁に確認されていたようで…徳川家康が出会った”肉人”もエイリアンではないか?という研究者も多い。特にその中で有名なのが、”虚舟”の話ではないでしょうか?江戸時代、今の茨城県大洗沖に現われたという伝説の舟「虚舟」。「南総里見八犬伝」や「椿説弓張月」等の作品で知られる滝沢馬琴が、文政8年(1825)、「兎園会」や「耽奇会」(いずれも、文人や物好きらが集まり、奇談を話す会)で語られた奇談や怪談を集めて発表した「兎園小説」の中の「虚舟の蛮女」にも収録され、広く知られるようになった…。
享和3年(1803)春、2月22日のこと。常陸国の”はらやどり”という浜の沖合いに、舟のようなものが見えた。村の漁民たちが多くの小舟を漕ぎ出して、それを捕まえると、浜辺まで引き寄せたらしい。
舟の形は、直径3間(約5.5メートル)ほどで、お香の入れ物のような丸い形をしており、上部はガラス張りで、繋ぎ目は松ヤニで塗り固められ、船底は鉄板を筋のように張ってあったという…。

ただ、まったくもって言葉が通じないから、村人たちは彼女が何所から来たのかを訊く事も出来なかった。長老を含め、村人たちが集まって相談している様子を女はにこやかに見ていた…。長老は「女はたぶん蛮国(外国)の王女で、他の土地に嫁に行ったのだが、そこで浮気がバレてしまった!浮気相手の男は処刑されたが、王女である女を殺すわけにもいかず、虚舟に乗せて流し、生死を天に任せたのではないか?そうだとすると、女が抱えている箱の中身は浮気相手の首かも知れぬ。だから箱を離そうとしないのだ!」と結論付けた。どうして話がそこまで行くか?ってかなり突っ込み入れたいんですけどね。(笑)

この話、更なる興味深い謎も残っていて、舟の中に、多くの南蛮文字が書かれていた!馬琴は、ヨーロッパの文字であり、女はヨーロッパの人間だと推測しているが、書物に残っている文字は、明らかにアルファベットとは違うもの!日本の象形文字はもちろん、この文字を使っている民族は、現在までの調査では見つかっていないのが現実で…。
そうなると、この文字の存在自体に信憑性がないか?女が地球人に良く似た宇宙人で、UFOに乗っていたのか?欧米人がたまたま見つけたUFOに乗っていたのか?といった、いくつかの可能性が浮上してはこないだろうか?因みに、馬琴とほぼ同時期に生きた国学者で、時代考証家の屋代弘賢が記した「弘賢随筆」にも「虚舟の蛮女」と同様の図が書かれているため、舟に何かしらの文字があった可能性が高い!
また、天保15年(1844)に出版された、梅乃舎主人著の随筆集「梅の塵」でも、この日の出来事が書かれており、それなりに話題を集めた事はまず、間違いない。ただ、もしこの女がエイリアンだとすると、何でテレパシーで会話出来なかったのか?少し疑問も残りますが、江戸時代は本当に怪談・奇談の宝庫ですわ。