■さんた丸屋
「さんた丸屋」というのは、隠れキリシタンにおける聖母マリアの呼称です。徳川幕府が慶長17年(1612)にキリスト教を禁止してから、信者に対する弾圧は年々厳しくなって、信徒たちは表向きは仏教徒として振舞いながら、密かに「オラショ(祈祷文)」を唱え、白布観音・子安観音等の観音像をマリアに見立てて祀っていたと伝えられている…。
長崎県五島と外海地方に伝わる「天地始之事」は、その隠れキリシタンが書き残した聖書で、密かに口伝されたものが、江戸時代末期に片仮名まじりの文章として写されたもの…ただ、長い間伝承されているうちに、仏教・神道等とも概念の混交が起きてしまって、筋書きでは本来の聖書とは相違が出来てしまっている…。


隠れキリシタンたちが受け継いで来た信仰は今でも生き続けていますもんね…。