■北斗七星
西洋占星術では何故か対象外なんですけど、東洋占星術では極めて重視される星…それが北斗七星と北極星ですよね?「晋書」天文志はこう書いている。「北極星は北辰の中で最も尊い星である。その主星は天の枢軸である。…北斗七星は…日月五星の要であり、陰陽の源である。だから、天の中央を運って四方を治め、それによって四季を定めて五行を均える」と…
実は、北極星と呼ばれる星は固定している訳ではなく、時代によって移り変わっている。今は星座でいうシッポが変に長い小熊座のα星ですが、それ以前は龍座のツバンが北極星だった。変に長いシッポの小熊座の神話も面白いので、いずれこのブログでも紹介したいと思っている…。

東洋では、北極星は皇帝や天子そのもので、北斗七星はその代表的な臣下と見られた。また人の誕生と人の死をつかさどるのも北斗で、あらゆる人間は北斗の精を受けて誕生し、北斗の管理する天界の寿命台帳に記載された年数を生きた後、再び天に還るとも信じられていたらしい…。
魏の国に管輅という男がいた。風水の大家で、当時、並ぶ者のない占術家として知られていた。この管輅が、南陽県で20歳前に寿命が尽きる相を持った少年と出会う。哀れに思った管輅は、その少年とその親に、桑の木の下で碁を打っている2人の仙人を無言で接待すれば助かるであろう…と教えた。親子は教えの通りに酒と肉で仙人を接待したのだけど、夢中で碁を打っている2人は気づかない。やがて親子に気づいた北側の仙人が追い払おうとしたが、すでに接待を受けていたからというので、南側の仙人が少年の寿命を19歳から91歳に書き換えてやったという…。この北側の仙人が死をつかさどる北斗七星の化身で、南側の仙人が生をつかさどる南斗六星の化身…。両者とも命の管理人なんだそうだ…。
